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名古屋大学 2003年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

円周上にn個の異なる点a1,a2,,anをとり,
これらn個の点を要素とする集合をUとする(ただし,n4).
U内のすべての異なる2点間に線分を引くものとする.
各線分を各々独立に,赤,青,黄のいずれかに等確率で着色する.つぎの(1)~(6)の各問に答えよ.

(1) 上記の線分の数を求めよ.

(2) すべての線分が同一色で着色されている確率を求めよ.

いま事象A1A2A3A4

A1{a1,a2,a3}内の任意の2点を結ぶ線分のすべてが,同一色で着色されている

A2{a2,a3,a4}内の任意の2点を結ぶ線分のすべてが,同一色で着色されている

A3{a3,a4,a1}内の任意の2点を結ぶ線分のすべてが,同一色で着色されている

A4{a4,a1,a2}内の任意の2点を結ぶ線分のすべてが,同一色で着色されている

とする.

また事象B

B{a1,a2,a3,a4}内のどの3個の点を選んでも,
それらを結んでいる線分の色は2色以上である

とする.

(3) 事象A1の起こる確率P(A1)を求めよ.

(4) A1A2の余事象A1A2について,
確率P(A1A2)を求めよ.

(5) 事象A1A2A3A4および記号 Aを使って,事象Bを表現せよ.

(6) 「和事象の確率は,常に個々の事象の確率の和以下である」ことを用いて,
P(B)59であることを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

確率場合の数論証・証明 数え上げ、余事象、包除原理、不等式評価

方針

(1) (2)は完全グラフの辺数と、全辺同色の数え上げである。(3)以降は4点の場合で、各 Ai は対応する3点が作る三角形の3辺が同じ色である事象を表す。(4)では A1A2 が共有する辺の色により、関係する5本の辺が同色にそろうことを使う。(5)は B が「どの三角形も単色でない」ことの言い換えであり、(6)はその余事象を和事象として上から評価する。

解答

(1) n 個の点のうち異なる2点を選ぶごとに1本の線分が引かれる。したがって線分の数は n(n1)2 である。

(2)
線分の本数を N=n(n1)2 とする。すべての線分の色の塗り方は 3N 通りである。すべての線分が同一色である塗り方は、赤・青・黄の3通りである。よって求める確率は 33N=31N である。

(3)
事象 A1 は、3点 a1,a2,a3 を結ぶ3本の線分が同一色である事象である。この3本の塗り方は全部で 33 通りで、同一色となる塗り方は3通りである。したがって P(A1)=333=19 である。

(4)
まず P(A1A2)=1P(A1A2) である。ここで P(A1)=P(A2)=19 である。

次に A1A2 を考える。A1 では辺 a1a2,a1a3,a2a3 が同一色であり、A2 では辺 a2a3,a2a4,a3a4 が同一色である。両方に共通する辺 a2a3 があるため、この5本の辺 a1a2,a1a3,a2a3,a2a4,a3a4 はすべて同一色でなければならない。残りの辺 a1a4 の色は自由である。したがって P(A1A2)=3336=181 である。

よって P(A1A2)=19+19181=1781 であり、P(A1A2)=11781=6481である。

(5)
事象 B は、4点からどの3点を選んでも、その3点を結ぶ3本の線分が同一色ではない、という事象である。これは A1,A2,A3,A4 のどれも起こらないことを意味する。したがってB=A1A2A3A4である。

(6)
(5)より B=A1A2A3A4 である。したがって P(B)=1P(A1A2A3A4) である。

和事象の確率は個々の事象の確率の和以下であるから P(A1A2A3A4)P(A1)+P(A2)+P(A3)+P(A4) である。各 Ai の確率は 19 なので P(A1A2A3A4)419=49 である。よって P(B)149=59 である。

別解

解法2(包除原理で P(B) も正確に数える)

方針

(1) 〜(5)の基本結果を確認した後、4つの単色三角形事象の和を包除原理で正確に数える。問題の下界より強い P(B)=5081 が得られる。

解答

(1)

線分は異なる2点の選び方と同数なのでn(n1)2本である。

(2)

N=n(n1)/2 とおく。全線分が同色である確率は33N=31N.(3)

三角形の3辺が同色になる塗り方は3通り、全体は 33 通りだからP(A1)=19.(4)

A1A2 では共有辺のため、関係する5辺が同じ色になり、残り1辺だけが自由である。よってP(A1A2)=3336=181.したがってP(A1A2)=1(19+19181)=6481.(5)B=A1A2A3A4.(6)

任意の2事象 Ai,Aj の共通部分の確率は 181 である。任意の3事象、また4事象すべての共通部分では6辺が同色になり、その確率は 1243 である。包除原理によりP(i=14Ai)=49681+42431243=3181.よってP(B)=13181=5081>59.特に、問題で求められた P(B)5/9 が従う。

総評

難度6、計算量5。目安時間は18〜22分。問題文の n の条件は画像上も後半の a4 の使用からも n4 と読むべきであり、旧データの n4 を訂正した。共有辺をもつ2つの単色三角形が同時に起こると、関係する5辺が同色になる。第1解法では和事象の上界だけで 59 を示し、第2解法では包除原理により正確な値 P(B)=5081 まで確認した。

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出典: 名古屋大学 2003年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。