Evolton

名古屋大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

正六面体の各面に1つずつ,サイコロのように,1から6までの整数がもれなく書かれていて,
向かい合う面の数の和は7である.
このような正六面体が底面の数字が1であるように机の上におかれている.
この状態から始めて,次の試行を繰り返し行う.
「現在の底面と隣り合う4面のうちの1つを新しい底面にする.」
ただし,これらの4面の数字がa1a2a3a4のとき,
それぞれの面が新しい底面となる確率の比はa1:a2:a3:a4とする.
この試行をn回繰り返した後,底面の数字がmである確率をpn(m) (n1)で表す.
qn=pn(1)+pn(6) (n=1,2,3,)とおく.

(1) q1q2を求めよ.

(2) qnqn1で表し,qnを求めよ.

(3) pn(1)を求めよ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安15

確率数列 状態分類確率漸化式漸化式の変形

方針

各面の番号そのものを追うと6状態になるが,向かい合う2面の和がどの組も7であることに注目すると,底面が 1 または 6 である確率だけを閉じた漸化式で扱える。底面がある向かい合う組に属するとき,次に出る底面は隣接する4面に限られ,残り2つの組へ移る確率はそれぞれ 12 になる。まず組の確率 qn を求め,最後に組内で 1:6 の比に分かれることから pn を出す。

解答

準備

向かい合う面の組をA={1,6},B={2,5},C={3,4}とする.どの組も番号の和は7である.底面がある組に属するとき,
同じ組のもう一方の面は向かい側にあるので,次の底面にはならない.
残る2組の番号和はどちらも7だから,次に各組へ移る確率は
それぞれ12である.

(1)

初めは組Aの面1が底面であり,1回後には組Aへ移れないからq1=0である.2回後に組Aへ戻る確率は,1回後にいる組がB,C
どちらでも12なのでq2=12である.

(2)

初期状態も含めてq0=1とおく.組Aにいれば次は組A
残らず,組A以外にいれば次に組Aへ移る確率は12である.
したがってqn=1qn12(n1)である.これをqn13=12(qn113)と書き直すと,q0=1よりqn=13+23(12)nを得る.

(3)

Aへ入るとき,面1と面6が選ばれる確率の比は1:6である.
したがってn1ではpn(1)=17qn=121+221(12)n.n=1では0となり,初回には元の面1にも向かい側の面6にも
移れないことと一致する.

総評

6面をそのまま追うより,向かい合う面の3組にまとめる発想が勝負である。目安は15分前後で,組の間の移動確率が 12 ずつになる理由を「各組の番号和が7」と書ければ,漸化式は短くまとまる。最後に pn=qn/7 とする部分では,組内の確率が等分ではなく 1:6 で分かれる点に注意する。

冊子PDFで見る名大の確率の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 2006年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。