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名古屋大学 2005年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

1辺の長さが1の正四面体OABCを考え,
OA=a
OB=b
OC=cとする.
動点POからAへ辺OA上を秒速1で,
動点QAからBへ辺AB上を秒速12で,
動点RBからCへ辺BC上を秒速1で,
動点SCからOへ辺CO上を秒速12で,
同時に動き出す.

(1) 動き出してからt秒後(0t1)
ベクトルOPOQOROS
abcおよびtを用いて表せ.

(2) 線分PRと線分QSが交点Mをもつときのt (0t1)の値を求め,
ベクトルOMabcを用いて表せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

ベクトル ベクトル成分計算文字消去、計算整理

方針

(1) は各点がどの辺上をどれだけ進んだかを,端点の位置ベクトルの内分で表す。(2)では交点 M が線分 PR 上にも線分 QS 上にもあるとして,OM を2通りに表す。a,b,c は同一平面上にない3方向なので係数比較ができる。内分係数を λ,μ と置き,3つの係数方程式を解いて t を決める。正四面体の角度や長さは,この交点判定では使わない。

解答

(1) 0t1 とする。点 PO から A へ秒速1で進むので OP=ta である。

QA から B へ秒速 12 で進む。辺 AB の長さは1なので,時刻 t では A から t2 だけ進んでいる。したがってOQ=(1t2)a+t2bである。

同様に,点 RB から C へ秒速1で進むので OR=(1t)b+tc である。また点 SC から O へ秒速 12 で進むので OS=(1t2)c である。

(2)

線分 PR と線分 QS が交点 M をもつとする。MPR 上にあることから,ある実数 λ を用いてOM=OP+λ(OROP)と書ける。また MQS 上にあることから,ある実数 μ を用いてOM=OQ+μ(OSOQ)と書ける。線分上の点であるためには 0λ10μ1 である。

(1) の式を代入すると,PR 側からはOM=t(1λ)a+λ(1t)b+λtcである。一方,QS 側からはOM=(1μ)(1t2)a+(1μ)t2b+μ(1t2)cである。 a,b,c は一次独立なので,係数を比較して{t(1λ)=(1μ)(1t2),λ(1t)=(1μ)t2,λt=μ(1t2)を得る。

この連立方程式を解く。第2式と第3式から 1μ=2λ(1t)t,μ=λt1t2 である。これらを第1式に代入して整理すると t(1λ)=2λ(1t)t(1t2) である。さらに (1μ)+μ=1 も用いて λ を消去すると 3t2=0 となる。したがって t=23 である。このとき第2式,第3式から λ=12,μ=12 となり,どちらも 0λ,μ1 を満たすので,実際に線分上で交わる。

よってOM=12OP+12OR=1223a+12{13b+23c}=13a+16b+13cである。

別解

解法2(2直線の共面条件)

方針

係数空間で P,Q,R,S の座標を置く。2直線 PR,QS が交わるための共面条件を3次行列式で求めると、t の候補が一意に決まる。最後にその時刻では両線分の中点が一致することを確認する。

解答

(1)

a,b,c を基底とする係数で書けばP=(t,0,0),Q=(1t2,t2,0),R=(0,1t,t),S=(0,0,1t2).したがって、これらがそれぞれ
OP,OQ,OR,OS
の係数表示である。

(2)

直線 PRQS が交わるなら、方向ベクトル RP,SQQP は同一平面内にある。よってdet(t(1t2)13t21tt2t2t1t20)=0.左辺を整理すると14(3t2)(2t23t+2)=0.ところが2t23t+2=2(t34)2+78>0なので、候補は t=23 だけである。

このときP+R2=(13,16,13)=Q+S2.したがって2線分は共通中点 M で交わり、OM=13a+16b+13cである。

総評

難度6、計算量5。空間図形に見えるが、実際には位置ベクトルの係数比較で解く問題で、目安は22分程度である。(1)は速度が1の点と 12 の点を混同しないことが重要である。(2)では交点を2つの線分の内分表示で表し、a,b,c の係数を比較する。正四面体の角度や内積を使いたくなるが、この問題では不要であり、むしろ計算が重くなる。最後に λ=μ=12 が線分上の条件を満たすことまで確認すると、交点の存在が明確になる。

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出典: 名古屋大学 2005年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。