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名古屋大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験 ベクトル・図形と方程式理系数学 第4問(a)

選択問題 (a)

(1) 平行四辺形ABCDにおいて,AB=CD=aBC=AD=bBD=cAC=dとする.
このとき,a2+b2=12(c2+d2)が成り立つことを証明せよ.

(2) 3つの正数abc (0<abc)a2+b2>c2を満たすとき,
各面の三角形の辺の長さをabcとする四面体が作れることを証明せよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

ベクトル図形と方程式論証・証明 座標設定、存在証明、計算整理

方針

(1)AB=u, AD=v とおき、対角線が u+v, vu で表されることから、2乗を足して内積の項を消す。(2)は4点を (±x,±y,±z) の対称な形に配置して、辺の長さが3種類 a,b,c になるように x2,y2,z2 を決める。条件 a2+b2>c2z2>0 を保証する。

解答

(1) AB=u,AD=v とおく。このとき AB=CD=u=a,BC=AD=v=b である。また、対角線は AC=u+v=d,BD=vu=c である。

したがって c2+d2=vu2+u+v2 である。右辺を内積で展開すると vu2=v22uv+u2 であり、u+v2=u2+2uv+v2 である。足し合わせると内積の項が消えて c2+d2=2u2+2v2=2a2+2b2 である。よって a2+b2=12(c2+d2) が成り立つ。

(2)
次の4点を空間内にとる。P1=(x,y,z),P2=(x,y,z),P3=(x,y,z),P4=(x,y,z)ただしx2=b2+c2a28,y2=c2+a2b28,z2=a2+b2c28とする。

条件 0<abca2+b2>c2 より、z2>0 である。また b2+c2a2>0,c2+a2b2>0 も明らかなので、x,y,z は正に選べる。

この4点の距離を調べる。例えば P1P2=2y2+z2 であり、y2+z2=c2+a2b2+a2+b2c28=a24 だから P1P2=a である。同様に P1P3=2x2+z2=b,P1P4=2x2+y2=c である。対称性により他の辺もそれぞれ a,b,c のいずれかになり、各面の三角形は辺の長さ a,b,c をもつ。

したがって、各面の三角形の辺の長さが a,b,c である四面体を実際に作ることができる。

別解

解法2(直方体の互い違いの頂点を使う)

方針

(1) は中線定理を平行四辺形へ2回適用する。(2)は3辺 x,y,z の直方体から互い違いの4頂点を選び、各面が同じ3種類の対角線をもつようにする。

解答

(1)

平行四辺形の対角線の交点を M とする。三角形 ABD で中線 AM に中線定理を用いるとAB2+AD2=2(AM2+BM2).AM=d/2, BM=c/2 だからa2+b2=2(d24+c24)=12(c2+d2).(2)

辺の長さが 2x,2y,2z の直方体を考え、互い違いの4頂点を選ぶ。この4点が作る四面体では、向かい合う辺の長さがそれぞれ2y2+z2,2z2+x2,2x2+y2となる。

そこでx2=b2+c2a28,y2=c2+a2b28,z2=a2+b2c28と定める。仮定 a2+b2>c2 により z2>0 である。また 0<abc から他の2式も正である。

このとき上の3種類の辺長は a,b,c となる。各面は各種類を1本ずつ含むため、4つの面はすべて辺長 a,b,c の三角形である。よって求める四面体が実際に存在する。

総評

前半は平行四辺形の対角線公式、後半は対称な座標配置による存在証明である。目安時間は22〜26分。(1)では2つの対角線を u+v, vu と表し、2乗和で内積項が消えることを示す。(2)では四面体を想像だけで説明するのではなく、4点を具体的に置くのが確実である。a2+b2>c2z2>0 を保証し、他の2つの正値性は c が最大であることから従う。

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出典: 名古屋大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。