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名古屋大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

三角形ABCで辺ACs:1sに内分する点をP
BCt:1tに内分する点をQ
線分AQと線分BPの交点をRとする.
このとき,APRの面積=2×(BQRの面積)が成り立っているとする.

(1) stを用いて表せ.

(2) 極限limt+0stを求めよ.
ただし,tが正の範囲で0に限りなく近づくとき,t+0と表す.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 座標設定、面積比、極限計算

方針

三角形の形には依存しない面積比なので,A(0,0),B(1,0),C(0,1) と座標を置く。内分点は P(0,s)Q(1t,t) となる。直線 AQBP の交点 R を求め,APRBQR の面積を座標から計算する。条件から s2(1t)=2t2(1s) を得て,0<s<1 の枝を選ぶ。(2)は明示式から極限を取るほか,方程式を t2 で割って s/t の極限を直接求められる。

解答

(1)

三角形の面積比だけが問題なので,座標を A(0,0),B(1,0),C(0,1) とおく。このとき,P は辺 ACs:1s に内分するから P(0,s) であり,Q は辺 BCt:1t に内分するから Q(1t,t) である。

R は直線 AQ 上にあるので,ある数 λ を用いて R=λQ=(λ(1t),λt) と表せる。また R は直線 BP 上にもあるので,ある数 μ を用いて R=(1μ)B+μP=(1μ,μs) と表せる。したがって λ(1t)=1μ,λt=μs である。第2式から μ=λt/s として第1式に代入すると λ(1t)=1λts であり,λ{s(1t)+t}=s となる。よって λ=ss+tst であり,R(s(1t)s+tst,sts+tst) である。

次に面積を求める。APy 軸上の長さ s の線分であるから,R から直線 AP までの距離は Rx 座標である。したがって[APR]=12ss(1t)s+tst=s2(1t)2(s+tst).また BQ の長さと高さを直接座標で計算してもよいが,三角形 BQR について同じく行列式で面積を出すと [BQR]=t2(1s)2(s+tst) となる。例えばQB=(t,t),RB=(s(1t)s+tst1,sts+tst)を用いて,行列式の絶対値を取れば上式が得られる。

条件 [APR]=2[BQR] より,分母は正なので s2(1t)=2t2(1s) である。これを s について整理すると (1t)s2+2t2s2t2=0 である。解の公式よりs=2t2±4t4+8t2(1t)2(1t)=t2±tt22t+21t.内分点なので 0<s<1 であり,正の枝を選ぶ。したがって s=t{t22t+2t}1t である。

(2)

(1) の式から st=t22t+2t1t である。したがって limt+0st=201=2 である。

2本の線分上の比から、青と橙の面積比を連鎖して求める。

別解

解法2(線分比と面積比を連鎖する方法)

方針

頂点 A,B,C に内分比と整合する重みを置き、交点 R が分ける2本の線分の比を求める。共通の高さをもつ三角形の面積比を2段階で掛ければ、座標や交点の実座標を出さずに設問の面積条件が得られる。(2)はその条件式から直接極限を取る。

解答

(1)
頂点 A,B,C にそれぞれ1s,s(1t)t,sの重みを置く。するとAP:PC=s:(1s),BQ:QC=t:(1t)という2つの内分比に一致する。内分点の重みは両端の重みの和になるので、P の重みは 1Q の重みは s/t である。したがって交点 R についてBR:RP=t:s(1t),AR:RQ=s:t(1s)を得る。この重み付けは内分点公式を2本の線分へ順に適用したものである。

APRABR は、底辺を直線 BP 上にとると高さが共通だから[APR][ABR]=PRBR=s(1t)t.また ABRBQR は、底辺を直線 AQ 上にとると高さが共通だから[ABR][BQR]=ARRQ=st(1s).よって[APR][BQR]=s2(1t)t2(1s).これが 2 に等しいのでs2(1t)=2t2(1s).s について解き、0<s<1 となる枝を選ぶとs=t{t22t+2t}1tである。

(2)
上の面積条件から(st)2(1t)=2(1s)である。また s2(1t)2t2 より t+0 のとき s0 である。したがって正の量であることに注意して極限を取るとlimt+0st=2となる。

総評

交点座標を出したあとの面積比が中心で,座標設定自体は自由に選んでよい。想定時間は18分から22分,難易度は6,計算量は5程度。P,Q の内分比から座標を逆に置くミス,R の分母 s+tst の落とし忘れ,2次方程式の負の枝を選んでしまうミスが起こりやすい。(2)は明示式から一瞬で出るが,面積条件を割って極限だけを取り出す方法も見通しがよい。

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出典: 名古屋大学 2008年度 前期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。