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名古屋大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

次の不等式の表す領域をDとする.(x2)2+2x+3y14(1) Dの概形を描き,その面積を求めよ.

(2)(x,y)D内を動くとき,
x+yの最大値と最小値およびそれらの値を取る点の座標を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

図形と方程式積分 座標設定面積計算微分による最大最小

方針

絶対値の中身と二次式の部分を分けるため,u=x2v=2x+3y1 とおく。すると領域は u2+v4 となり,uv 平面では上下を v=±(4u2) に挟まれた形になる。面積は座標変換で単位正方形が面積 1/3 の平行四辺形へ移ることから換算する。(2)は x+y=(u+v+3)/3 なので,u+v の最大・最小を上側境界と下側境界でそれぞれ調べる。

解答

(1) u=x2,v=2x+3y1 とおく。このとき不等式は u2+v4 となる。したがって uv 平面では 2u2,(4u2)v4u2 で表される。概形は,上側が v=4u2,下側が v=u24 の2つの放物線で囲まれた領域である。

面積を換算する。逆変換は x=u+2,y=v2u33 である。uv 平面で u 方向に1だけ動くと xy 平面では (1,2/3) だけ動き,v 方向に1だけ動くと (0,1/3) だけ動く。これらが作る平行四辺形の面積は1130(23)=13である。よって xy 平面での面積は uv 平面での面積の 1/3 倍である。

したがって D の面積は1322{(4u2)((4u2))}du=13222(4u2)du=23[4uu33]22=23323=649.(2)

逆変換からx+y=u+2+v2u33=u+v+33である。したがって x+y の最大・最小は u+v の最大・最小から求めればよい。

最大を求めるには,固定した u に対して v を最大にすればよいので,上側境界 v=4u2 を用いる。このとき u+v=u+4u2=(u12)2+174 であるから,最大値は u=1/2 のとき 17/4 である。したがって x+y=17/4+33=2912 である。このとき u=12,v=414=154 より (x,y)=(52,112) である。

最小を求めるには,下側境界 v=(4u2)=u24 を用いる。このとき u+v=u2+u4=(u+12)2174 であるから,最小値は u=1/2 のとき 17/4 である。したがって x+y=17/4+33=512 である。このとき u=12,v=154 より (x,y)=(32,2312) である。

青が領域 D。破線は x+y=一定 の最大・最小位置での直線。

別解

解法2(元の座標で上下の境界を出す方法)

方針

絶対値を直接外し、各 x に対する y の上端と下端を求める。(1)の面積は両境界の差を積分し、(2)は上端・下端へ x+y を代入して、それぞれ平方完成する。座標変換を使わずに完結させる。

解答

(1) M=4(x2)2とおく。不等式が解をもつには M0、すなわち 0x4 が必要である。この範囲でM2x+3y1Mだからx26x+13y1+2xx23.よって D はこの2つの放物線に挟まれた領域であり、面積は04{1+2xx23x26x+13}dx=2304{4(x2)2}dx=649.(2)
固定した x では、x+y の最大は上側境界、最小は下側境界で生じる。上側ではx+y=1+5xx23=291213(x52)2.したがって最大値は 2912、その点は(x,y)=(52,112)である。

下側ではx+y=x23x+13=512+13(x32)2.したがって最小値は 512、その点は(x,y)=(32,2312)である。

総評

絶対値付きの領域をそのまま xy 平面で描こうとすると式が重くなるため,u=x2v=2x+3y1 で形を先に整えるのが要点である。想定時間は20分前後,難易度は6,計算量は6程度。面積では変換倍率 1/3 の説明を省くと大きな減点になりやすい。(2)では最大は上側境界,最小は下側境界で起こることを,固定した u に対する v の取り方として説明すると自然である。座標へ戻す最後の代入も符号ミスが出やすい。

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出典: 名古屋大学 2008年度 前期 文系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。