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名古屋大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

aを正の定数とし,xy平面上の曲線Cの方程式をy=x3a2xとする。

(1) C上の点A(t,t3a2t)におけるCの接線をlとする。
lCで囲まれた図形の面積S(t)を求めよ。
ただし,tは0でないとする。

(2) bを実数とする。
Cの接線のうちxy平面上の点B(2a,b)を通るものの本数を求めよ。

(3) Cの接線のうち点B(2a,b)を通るものが2本のみの場合を考え,
それらの接線をl1l2とする。
ただし,l1l2はどちらも原点(0,0)を通らないとする。
l1Cで囲まれた図形の面積をS1とし,
l2Cで囲まれた図形の面積をS2とする。
S1S2として,次の値を求めよ。S1S2

難易度7/ 10計算量7/ 10目安28

微分積分関数 接線・法線面積計算グラフの概形、場合分け

方針

接点を t として接線を作り、曲線との差を因数分解する。3次曲線と接線は接点で重なって接するため、差は (xt)2 を因数にもつ。もう一つの交点 x=2t まで積分すれば、面積は t4 に比例する。(2)は接点を u とした接線が B(2a,b) を通る条件を作り、u/a で無次元化して3次関数の値域と交点数を調べる。(3)は接線が2本だけになる境界値のうち、原点を通る接線を含む場合を除き、残った2接点の t4 の比から面積比を出す。

解答

(1)
曲線 y=x3a2x の導関数は y=3x2a2 である。したがって C 上の点 A(t,t3a2t) における接線 ly(t3a2t)=(3t2a2)(xt) であり、整理して y=(3t2a2)x2t3 である。

曲線と接線の差をとると x3a2x{(3t2a2)x2t3}=x33t2x+2t3 である。右辺は x=t を重解にもつので x33t2x+2t3=(xt)2(x+2t) と因数分解できる。よって接点以外の交点は x=2t である。

t>0 の場合の曲線と接線の位置関係は、例えば
a=1, t=0.7 として描くと次のようになる。

まず t>0 とする。このとき区間 [2t,t] では x+2t0 であり、曲線が接線より上にある。したがって面積はS(t)=2tt(xt)2(x+2t)dxである。ここで x=tu とおくとS(t)=t421(u1)2(u+2)duであり、21(u1)2(u+2)du=21(u33u+2)du=274である。よって S(t)=274t4 である。 t<0 の場合は積分区間の左右が入れ替わり、曲線と接線の上下も逆になるが、面積は絶対値をとるので同じ式になる。したがって S(t)=274t4 である。

(2)
接点の x 座標を t とする。上で求めた接線が点 B(2a,b) を通る条件は b=(3t2a2)2a2t3 である。すなわち b=2t3+6at22a3 である。

ここで u=ta,c=ba3 とおく。a>0 なので tu は1対1に対応する。条件は c=2u3+6u22 となる。右辺を ϕ(u)=2u3+6u22 とおくと ϕ(u)=6u2+12u=6u(u2) である。したがって ϕ(,0) で減少、(0,2) で増加、(2,) で減少する。また ϕ(0)=2,ϕ(2)=6 であり、limuϕ(u)=,limuϕ(u)=である。

接線本数は、次の ϕ のグラフと水平線
y=b/a3 の交点数として読める。

よって水平線 y=c との交点数を数えれば、接線の本数は{1(b<2a3),2(b=2a3),3(2a3<b<6a3),2(b=6a3),1(b>6a3)である。

(3)
接線が2本のみになるのは、(2)より b=2a3またはb=6a3 の場合である。

まず b=2a3 の場合を考える。このとき c=2 であり、方程式 2u3+6u22=22u2(u3)=0 となる。したがって接点は u=0u=3 に対応する。このうち u=0、すなわち t=0 の接線は y=a2x であり、原点を通る。これは問題の条件から除かれる。

次に b=6a3 の場合を考える。このとき c=6 であり、方程式 2u3+6u22=62(u2)2(u+1)=0 となる。したがって異なる接点は u=1,u=2 であり、すなわち t=a,t=2a である。どちらも t0 なので、それぞれの接線は原点を通らない。

(1) より、接線と曲線で囲まれる面積は (27/4)t4 である。したがって2つの面積は比例定数を除いて (a)4,(2a)4 に比例する。大きい方を S1、小さい方を S2 とすれば S1S2=(2a)4a4=16 である。よって S1S2=16 である。

総評

難度7、目安時間28分。接線の接点を媒介変数にして、面積と本数分類の両方を同じ文字で処理する問題である。(1)では曲線と接線の差が (xt)2(x+2t) になること、t<0 でも面積が同じ t4 の式になることを確認したい。(2)では u=t/a による無次元化で ϕ(u)=2u3+6u22 のグラフを読むのが核心である。(3)は接線が2本となる2つの境界値のうち、t=0 の接線が原点を通る場合を除くところが落とし穴になる。

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出典: 名古屋大学 2012年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。