Evolton

名古屋大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

関数f(x)=(x2x)exについて,次の問いに答えよ.
必要ならば,任意の自然数nに対してlimx+xnex=0が成り立つことを用いてよい.

(1) y=f(x)のグラフの変曲点を求め,グラフの概形をかけ.

(2) a>0とする.
(0,a)を通るy=f(x)のグラフの接線が1本だけ存在するようなaの値を求めよ.
また,aがその値をとるとき,y=f(x)のグラフ,その接線およびy軸で囲まれた図形の面積を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

微分積分関数 グラフの概形接線・法線面積計算

方針

まず f(x),f(x) を計算し,変曲点・増減・凹凸からグラフの概形を決める。接線が (0,a) を通る条件は,接点を x=t とおいて,接線の y 切片を a と表すことで1変数の問題になる。ちょうど1本の接線をもつためには,この切片関数が正の範囲で最大値をとるところを調べればよい。面積は,得られた接線と曲線の上下関係を確認して積分する。

解答

(1) f(x)=(x2x)ex である。微分すると f(x)=(2x1)ex(x2x)ex=(x2+3x1)ex であり,さらにf(x)={(2x+3)(x2+3x1)}ex=(x25x+4)ex=(x1)(x4)exである。 ex>0 だから,f(x)=0 となるのは x=1,4 である。対応する y 座標は f(1)=0,f(4)=12e4=12e4 なので,変曲点は (1,0),(4,12e4) である。

凹凸は f(x)>0(x<1, 4<x),f(x)<0(1<x<4) である。また f(x)=x(x1)ex より零点は x=0,1 である。

増減については f(x)=0x23x+1=0 と同値なので,x=352,3+52 である。f(x) はこの2点の外側で負,内側で正となる。したがって,グラフは(,352)で減少,(352,3+52)で増加,(3+52,)で減少する。さらに limxf(x)=0,limxf(x)= である。これらをもとに,x=0,1x 軸と交わり,(1,0)(4,12/e4) で凹凸が変わる概形を描けばよい。

(2) 接点を x=t とする。接線の方程式は y=f(t)(xt)+f(t) である。この接線が (0,a) を通る条件は a=f(t)tf(t) である。

ここで f(t)=(t2t)et,f(t)=(t2+3t1)et だから f(t)tf(t)=(t2t)ett(t2+3t1)et=t2(t2)et である。したがって a=h(t),h(t)=t2(t2)et を考えればよい。 a>0 であるから,h(t)>0 が必要であり,これは t>2 を意味する。t>2 での h(t) の増減を調べると h(t)=t(t1)(t4)et である。したがって t>2 において,h(t)(2,4) で増加し,(4,) で減少する。よって正の値の範囲で最大値をとるのは t=4 のときであり,その値は h(4)=42(42)e4=32e4 である。 0<a<32/e4 なら接点が2個,a=32/e4 なら接点が1個,a>32/e4 なら接点が存在しない。したがって,ちょうど1本の接線をもつのは a=32e4 のときである。

このとき接点は t=4 である。接線は y=f(4)(x4)+f(4) であり,f(4)=12e4,f(4)=(16+121)e4=5e4 だから y=5e4(x4)+12e4=325xe4 である。

求める領域は,yx=0,曲線 y=f(x),接線 y=325xe4 で囲まれる。接点は x=4 であり,0x4 で接線が曲線の上にあるので,面積 SS=04{325xe4(x2x)ex}dxである。

まず(x2x)exdx=(x2+x+1)exなので04(x2x)exdx=[(x2+x+1)ex]04=121e4である。また04325xe4dx=1e4[32x52x2]04=88e4である。したがってS=88e4(121e4)=109e41である。

曲線とただ1本の接線

青い部分が求める面積。接線は x=4 で曲線に接する。

総評

接線の本数を直接数えるよりも,接点 t に対する y 切片 h(t)=f(t)tf(t) を調べるのが本問の核心である。a>0 から t>2 に限定されるため,h(t) の山は t=4 の1つだけになる。面積計算では,接線が x=4 で接し,0x4 で曲線より上にあることを確認してから積分すると,符号の取り違えを防げる。

切片関数 h(t)t>2 だけを調べればよく、最大値の高さで水平線がただ1点に接することが接線1本の条件である。面積では曲線と接線の上下関係を図で確認し、2つの定積分を別々に表示してから差を取る。

冊子PDFで見る名大の微分の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。