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名古屋大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

4つの実数をα=log23β=log35γ=log52
δ=32とおく。以下の問に答えよ。

(1) αβγ=1を示せ。

(2) α,β,γ,δを小さい順に並べよ。

(3) p=α+β+γ
q=1α+1β+1γとし,
f(x)=x3+px2+qx+1とする。
このときf(12)f(1)
およびf(32)の正負を判定せよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安14

指数・対数方程式・不等式 式変形、不等式評価、解と係数の関係、範囲評価

方針

(1) は底の変換公式で積をただちに1にする。(2) は対数の大小を指数の大小へ戻し,γ<1<ββ<3/23/2<α を順に示す。(3) は αβγ=1 から q=αβ+βγ+γα と変形し,f(x)=(x+α)(x+β)(x+γ) と因数分解する。あとは 1/2,1,3/2α,β,γ の位置関係を使って各因子の符号を判定する。

解答

(1)

底の変換公式を用いるとαβγ=log23log35log52=log3log2log5log3log2log5=1である。

(2)

まず γ=log52<1 であり,また β=log35>1 である。したがって γ<1<β である。

次に β<32 は,底 3>1 に注意すると 5<33/2 と同値である。両辺は正なので2乗して 25<27 となり,これは成り立つ。よって β<32 である。

また 32<α23/2<3 と同値であり,両辺を2乗すると 8<9 であるから成り立つ。したがって γ<β<δ<α である。

(3)

(1) より αβγ=1 であるからq=1α+1β+1γ=βγ+γα+αβである。したがってf(x)=x3+(α+β+γ)x2+(αβ+βγ+γα)x+αβγ=(x+α)(x+β)(x+γ)である。

さらに γ<12 を確認しておく。これは log52<12 すなわち 2<5 と同値で,4<5 より成り立つ。

よってf(12)=(α12)(β12)(γ12)であり,最初の2因子は正,最後の因子は負である。したがって f(12)<0 である。

また α>1,β>1,γ<1 だから f(1)=(α1)(β1)(γ1)<0 である。最後に,(2) より α>3/2β<3/2γ<3/2 なのでf(32)=(α32)(β32)(γ32)>0である。

別解

解法2(零点の配置を符号表で読む)

方針

(1) (2) で得た積と大小関係を使って三次式を因数分解し,3つの零点を数直線上に配置する。代入値を展開せず,各点がどの零点間にあるかと最高次係数の符号だけで判定する。

解答

(1) 底の変換公式からαβγ=1である。

(2) 対数の大小を指数の大小へ戻すと0<γ<12<1<β<32<αを得る。したがって小さい順は γ,β,δ,α である。

(3) αβγ=1 よりq=αβ+βγ+γαなのでf(x)=(x+α)(x+β)(x+γ)である。したがって3つの零点と判定点の順序はα<32<β<1<12<γ<0となる。最高次係数は正で,単根を通過するたびに符号が変わる。

よって 3/2 は正の区間,1,1/2 は負の区間にあるからf(12)<0,f(1)<0,f(32)>0である。

総評

難度5、計算量4。想定時間は14分程度。対数の問題だが,難所は対数計算ではなく,大小比較を指数の不等式へ正しく戻す点である。(3) は αβγ=1 を使って q を対称式に直せば,根の位置関係による符号判定だけになる。γ<1/2 の確認を落とすと f(1/2) の符号が決まらないので,そこが採点上の注意点である。 別解では零点配置を符号表にし,3つの代入計算を一度に処理できる。

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出典: 名古屋大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。