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名古屋大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

整数の組(a,b,c)に対して,次の条件(*)を考える。

(*) a,b,cは1以上の整数であり,abの最大公約数,
acの最大公約数,bcの最大公約数はそれぞれ1である。

以下の問いに答えよ。ただし,組(a,b,c)(d,e,f)
a=d,b=e,c=fのとき,かつこのときに限り等しい。

(1) 条件(*)かつabc=120をみたす組(a,b,c)のうちで,
abcをみたすものをすべて求めよ。

(2) Nを2以上の整数とし,N以下の素数の個数をmとする。
条件(*)かつabc=N!をみたす組(a,b,c)の個数をmを用いて表せ。

(3) Nを2以上の整数とし,N以下の素数の個数をmとする。
条件(*)かつabc=N!をみたす組(a,b,c)のうちで,
abcをみたすものの個数をmを用いて表せ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12

整数場合の数 素因数分解、数え上げ対称性の利用

方針

条件(*)より,積に現れる各素数の累乗部分は a,b,c のうちただ1つに丸ごと割り振られる。(1)は 120=2335 の3つの素数ブロックを大小順に列挙する。(2)は N! に現れる m 個の素数ブロックを,順序つきの3つの場所へ割り振るので 3m 通りである。(3)では大小順にするため,順序つきの割り振りを並べ替えでまとめる。特別に2つが等しくなるのは (1,1,N!) の場合だけであることを使う。

解答

(1) 120=2335 である。条件(*)より,a,b,c のどの2つも共通の素因数を持たない。したがって 2335 は,それぞれ a,b,c のうち1つだけに丸ごと入る。

3つの素数ブロックを 8,3,5 と見て,大小順 abc で並べた組を列挙する。3つをすべて同じ数に入れると (1,1,120) である。2つを同じ数に入れると (1,3,40),(1,5,24),(1,8,15) である。3つを別々に入れると (3,5,8) である。

したがって求める組は (1,1,120),(1,3,40),(1,5,24),(1,8,15),(3,5,8) である。

(2) N! に現れる素数は m 個である。それぞれの素数 q について,N! に含まれる q の累乗部分を a,b,c のどれか1つへ割り振る必要があり,またそのようにすれば条件(*)を満たす。

各素数の累乗部分について割り振り先は3通りであり,m 個の素数について独立に選べる。したがって条件(*)かつ abc=N! を満たす順序つきの組の個数は 3m である。

(3)
(2)で数えた 3m 通りは,(a,b,c) の順序を区別している。ここから abc を満たす組の個数を求める。

条件(*)のもとで,もし2つの数が等しいなら,その2つは互いに素である同じ正整数である。したがってその共通の値は1でなければならない。abc=N!>1 なので,3つすべてが等しいことはなく,2つが等しい場合は (1,1,N!) を並べ替えた場合だけである。

大小順にした組のうち,(1,1,N!) は順序つきでは (1,1,N!),(1,N!,1),(N!,1,1) の3通りに対応する。それ以外の大小順の組は3つの値がすべて異なるので,順序つきでは6通りに対応する。

求める個数を T とする。すると,大小順の組のうち1個は (1,1,N!) であり,残り T1 個はそれぞれ6通りの順序つき組をもつ。よって 3m=3+6(T1) である。これを解くと T=3m+36 である。したがって求める個数は 3m+36 である。

総評

難度5,計算量4。想定時間は12分程度。条件(*)により,N! の各素数冪 pieia,b,c のどれか1つへ丸ごと割り当てられる。このため順序つきの総数は 3m である。(3)で単純に6で割るのは誤りで,2つの値が等しい場合を別扱いする必要がある。互いに素な等しい正整数は1だけなので,例外は (1,1,N!) の並べ替え3通りに限られ,他は軌道の大きさが6となる。よって 3m=3+6(T1) から T=(3m+3)/6 を得る。採点では,この例外の一意性を一文で証明することが重要である。順列の作用による固定点数を数える方法でも同じ式を得られるが,本解法の方が高校範囲で短い。

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出典: 名古屋大学 令和8年度一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。