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岡山大学 2016年度 前期文系数学 第1問

複素数 ω=1+3i2 について,以下の問いに答えよ.

(1) ω2+ω4ω5+ω10 の値を求めよ.

(2) n を正の整数とするとき,ωn+ω2n の値を求めよ.

(3) n を正の整数とするとき,(ω+2)n+(ω2+2)nが整数であることを証明せよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安12

複素数平面数列 式変形、漸化式の変形数学的帰納法

方針

ωが1でない3乗根であること,すなわちω3=1かつ1+ω+ω2=0を使う。(3)はα=ω+2β=ω2+2とおき,和と積が整数であることからαn+βnの漸化式を作る。

解答

(1) ω=1+3i2であるから,ω2+ω+1=0ω3=1である。したがってω2+ω4=ω2+ω=1である。またω5=ω2ω10=ωであるからω5+ω10=ω2+ω=1である。

(2)
nを3で割った余りで場合分けする。nが3の倍数のとき,ωn=1ω2n=1であるからωn+ω2n=2である。

nが3で割って1余るとき,ωn=ωω2n=ω2であるから,和は1である。

nが3で割って2余るとき,ωn=ω2ω2n=ω4=ωであるから,和は1である。

よってωn+ω2n={2(n3の倍数),1(n3の倍数でない)である。

(3)
α=ω+2β=ω2+2とおく。するとα+β=ω+ω2+4=3であり,αβ=(ω+2)(ω2+2)=ω3+2(ω+ω2)+4=12+4=3である。

Sn=αn+βnとおく。α,βはともに方程式X23X+3=0を満たすから,n1についてSn+2=3Sn+13Snである。またS1=α+β=3S2=(α+β)22αβ=96=3である。したがって漸化式から,数学的帰納法によりすべての正の整数nについてSnは整数である。

ゆえに(ω+2)n+(ω2+2)nは整数である。

別解

別解(二項展開で(2)を利用する)

方針

(1) (2) は ω2+ω+1=0ω3=1 だけで指数を整理する。(3) は2つの式を二項展開して同じ次数の項をまとめ,係数に現れる ωk+ω2k が (2) により整数であることを使う。

解答

(1) 与えられた ω を代入するとω2+ω+1=0,ω3=1.したがってω2+ω4=ω2+ω=1,ω5+ω10=ω2+ω=1.(2) n を3で割った余りが0なら ωn=ω2n=1 である。余りが1または2なら,ωnω2n は順序を除いて ω,ω2 である。よってωn+ω2n={2(n が 3 の倍数),1(n が 3 の倍数でない)である。

(3) 二項定理により(ω+2)n=k=0nnCk2nkωk,(ω2+2)n=k=0nnCk2nkω2k.辺々を加えると(ω+2)n+(ω2+2)n=k=0nnCk2nk(ωk+ω2k).(2) と同じ考察は k=0 にも成り立ち,括弧内は 2 または 1 である。また nCk2nk は整数である。したがって右辺の各項は整数であり,その有限和も整数である。ゆえに,すべての正の整数 n について(ω+2)n+(ω2+2)nは整数である。

総評

難度4,計算量4。想定時間は12分程度。優先度は「必ず完答したい」。ω3=11+ω+ω2=0 を使う前半は確実な得点源である。差がつくのは (3) で,共役な2数の和を展開せず,和と積から整数係数の漸化式を作れるかどうかである。採点上は初期値,漸化式,数学的帰納法の結論を明記したい。時間が不足しても (1)(2) は取り切る。

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出典: 岡山大学 2016年度 前期 文系数学 第1問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。