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岡山大学 2019年度 前期 数学I・II・III・A・B理系数学 第3問

次の3つの等式zw=zw,z1=1,zw=2を満たす複素数z,wについて,以下の問いに答えよ.ただしz0とし,zの偏角をθと表す.

(1) 複素数平面において30,z,wは一直線上にあることを示せ.

(2) zwθを用いて表せ.

(3) θ0θ<π2の範囲を動くとする.このときwのとりうる値について,その虚部の最大の値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

複素数平面三角関数 複素数の極形式、図形的解釈微分による最大最小

方針

まず zw=zw を実部虚部で比較して,原点から見た z,w の方向が同一直線上にあることを示す。次に z を偏角 θ と絶対値で表し,円 z1=1 から絶対値を求める。w は同一直線上で z から距離 2 の点として2通り表し,虚部の最大値を調べる。

解答

(1)
z=a+bi,w=c+di とおく。条件 zw=zw の虚部を比較するとbcad=adbcであるから,ad=bc である。したがってベクトル (a,b)(c,d) は平行であり,複素数平面において 0,z,w は一直線上にある。

(2)
z0 で,z の偏角が θ であるから,ある正の実数 r を用いてz=r(cosθ+isinθ)と書ける。z1=1 よりr22rcosθ+1=1である。r>0 だからr=2cosθとなる。よってz=2cosθ(cosθ+isinθ)である。

(1) より w=s(cosθ+isinθ) と書ける。ただし s は実数である。さらに zw=2 だから2cosθs=2であり,s=2cosθ+2,2cosθ2である。したがってw=2(cosθ+1)(cosθ+isinθ)またはw=2(cosθ1)(cosθ+isinθ)である。

(3)
(2)の2通りのうち,後者の虚部は2(cosθ1)sinθ0である。前者の虚部をF(θ)=2(1+cosθ)sinθとおく。0θ<π2 においてF(θ)=2{2cos2θ+cosθ1}=2(2cosθ1)(cosθ+1)である。よって F(θ)θ=π3 で最大となり,その値はF(π3)=2(1+12)32=332である。したがって虚部の最大値は332である。

別解

解法2

方針

w/z が実数であることを直接示して、z,w を同じ方向の実数倍として扱う。円条件を極形式で解き、虚部の最大化には半角公式を用いる。

解答

(1)
z0 なのでwz=wzz2.仮定 zw=zw より、wz はその共役と等しく実数である。したがって w/z は実数であり、wz の実数倍である。ゆえに 0,z,w は一直線上にある。

(2)
極形式でz=reiθ(r>0)とおく。z1=1 を2乗するとr22rcosθ=0.よってr=2cosθ,z=2cosθeiθ.また w=λeiθ と書けば λ は実数でzw=2cosθλ=2.したがってw=2(cosθ+1)eiθまたはw=2(cosθ1)eiθ.(3)
0θ<π/2 では第2の枝の虚部は0以下なので、最大値は第1の枝で調べればよい。その虚部はY=2(1+cosθ)sinθ.u=θ/2 とおくとY=8sinucos3u(0u<π4).ここでddu{sinucos3u}=cos2u(14sin2u).よって最大となるのは sinu=1/2、すなわち u=π/6θ=π/3 のときである。したがってYmax=812(32)3=332.

総評

難度6,計算量6。想定時間は20分程度。最初の等式は成分比較だけでなく、w/z が実数であることを直接示すと一直線条件が短く表せる。円 z1=1 は極形式で r=2cosθ となり、距離2の条件から w の2枝が生じる。最大化では負の枝を先に除外し、半角公式で積の形にすると増減が読みやすい。

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出典: 岡山大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。