Evolton

岡山大学 2017年度 前期 数学I・II・III・A・B理系数学 第4問

α0<α<1を満たす虚数であるとする.複素数平面上の点の列z1,z2,z3,を,z1=0,z2=1および{z2n+1z2n=α(z2nz2n1)(n=1,2,3,)z2n+2z2n+1=α(z2n+1z2n)(n=1,2,3,)で定める.ただし,虚数とは虚部が0でない複素数のことであり,また,ααに共役な複素数を表すものとする.このとき以下の問いに答えよ.

(1)
次の等式が成り立つことを示せ.z2n+2z2n=α2(z2nz2n2)(n=2,3,4,)(2)
偶数番目の点の列z2,z4,z6,および奇数番目の点の列z1,z3,z5,は,それぞれ同一直線上にあることを示せ.

(3)
limnznw=0を満たす複素数wを求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安24

複素数平面数列 漸化式の変形和の計算図形的解釈

方針

隣り合う点の差を使って,偶数番目どうし,奇数番目どうしの差が公比α2の等比的な形になることを示す。α2<1なので,偶数列と奇数列の極限を等比数列の和で求め,同じ値になることを確認する。

解答

(1)
n2とする。与えられた漸化式からz2n+1z2n=α(z2nz2n1)であり,さらにz2n+2z2n+1=α(z2n+1z2n)=α2(z2nz2n1)である。したがってz2n+2z2n=(α+α2)(z2nz2n1)である。

一方,z2nz2n1=α(z2n1z2n2)であるからz2nz2n2=(1+α)(z2n1z2n2)である。よってα2(z2nz2n2)=α2(1+α)(z2n1z2n2)となる。これは(α+α2)(z2nz2n1)に等しいので,z2n+2z2n=α2(z2nz2n2)が成り立つ。

(2)
(1)より,偶数番目の点について,隣り合う差z2n+2z2nは,直前の差z2nz2n2の正の実数倍α2である。したがってz2,z4,z6,は同一直線上にある。

次に奇数番目について考える。n1z2n+1z2n1=(1+α)(z2nz2n1)である。またz2nz2n1は,nが1増えるごとにα2倍される。したがってz2n+3z2n+1z2n+1z2n1の正の実数倍α2である。よってz1,z3,z5,も同一直線上にある。

(3)
r=α2とおく。0<r<1である。偶数番目の列について,z4z2=α+rであり,(1)からz2N=1+(α+r)(1+r++rN2)(N2)である。したがってlimNz2N=1+α+r1r=1+α1rである。

奇数番目の列についてはz3z1=1+αであり,隣り合う奇数番目どうしの差は順にr倍されるからz2N+1=(1+α)(1+r++rN1)である。よってlimNz2N+1=1+α1rである。

偶数番目,奇数番目の極限が一致するので,求める複素数はw=1+α1α2である。

別解

解法2

方針

隣接差dk=zk+1zkを導入し,奇数番目・偶数番目の差を最初から陽に書く。点列自体を等比級数の部分和として求める。

解答

dk=zk+1zkr=α2とおく。d1=1であり,漸化式からd2j=αrj1,d2j+1=rj(j1)を得る。

(1) z2n+2z2n=d2n+d2n+1=(α+r)rn1であり,1つ前の差は(α+r)rn2だからz2n+2z2n=r(z2nz2n2)である。

(2)
偶数番目どうしの差はすべてα+rの非負実数倍,奇数番目どうしの差はz2n+1z2n1=d2n1+d2n=(1+α)rn1となり,すべて1+αの非負実数倍である。よって各点列はそれぞれ同一直線上にある。

(3)
差を足し合わせるとz2N=1+(α+r)j=0N2rj,z2N+1=(1+α)j=0N1rjである。0<r<1より両方の極限は1+α1rに一致する。したがってw=1+α1α2である。

総評

難度7,計算量6。想定時間は24分程度。差分を追う整理ができるかどうかで大きく差がつく。偶数列と奇数列を別々に等比数列として扱い,最後に極限が一致することを確認するのが主な採点点である。0<α<1から公比が1未満であることも明示したい。

冊子PDFで見る岡山大学の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 岡山大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。