Evolton

大阪大学 1981年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

xの多項式f(x)があり,
任意の実数aに対して,
f(x)f(a)がつねにx3a3で割り切れるとする.
このとき,ある多項式g(x)によって,
f(x)=g(x3)と表されることを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安18

数と式論証・証明 剰余分類、式変形、恒等式比較

方針

f(x) の項を次数の余りで3種類に分け、f(x)=g(x3)+xh(x3)+x2k(x3) と表す。x3a3 と同じものとして見たときの余りを計算し、その余りが任意の a で零多項式になることから、h(a3)=k(a3)=0 を得る。a3 は全実数を動くので h,k は零多項式である。

解答

f(x) の各項を、次数を 3 で割った余りによって分ける。すると、ある多項式 g,h,k を用いて f(x)=g(x3)+xh(x3)+x2k(x3) と表せる。これは、たとえば x3q, x3q+1, x3q+2 の3種類に項を集めたものである。

任意の実数 a を固定する。x3a3 で割った余りを考えると、割り算の余りの世界では x3a3 と見てよい。したがってg(x3)g(a3),h(x3)h(a3),k(x3)k(a3)である。
よって f(x)f(a) の余りは h(a3)(xa)+k(a3)(x2a2) である。

仮定より、f(x)f(a) は常に x3a3 で割り切れる。したがって上の余りは、x の多項式として零多項式でなければならない。すなわち h(a3)(xa)+k(a3)(x2a2)0 である。ここで x2 の係数を見ると k(a3)=0 であり、次に x の係数を見ると h(a3)=0 である。

これは任意の実数 a について成り立つ。実数 a3 は全ての実数値をとるので、h(X)0,k(X)0 である。したがって f(x)=g(x3) と表される。
\newpage

別解

解法2(三乗根を代入して係数を消す)

方針

1+ω+ω2=0 を満たす1の虚数三乗根 ω を用いる。
x3a3 の根 aω,aω2 を代入すると
f(aω)=f(aω2)=f(a) である。次数を3で割った余りごとの三成分へ
f を分け、この二つの等式から余り1・2の成分がともに零であることを示す。

解答

1+ω+ω2=0, ω3=1, ω1 を満たす
複素数 ω を取る。仮定の割り切れるという関係は複素数を代入しても成り立つ。
a0 を固定すると、aωaω2
x3a3 の根だからf(aω)=f(a),f(aω2)=f(a)である。

f の項を次数を3で割った余りごとに集め、f(x)=g(x3)+xh(x3)+x2k(x3)と書く。B=ah(a3), C=a2k(a3) とおけば、上の二式は(ω1)B+(ω21)C=0,(ω21)B+(ω1)C=0となる。二式を引くと(ωω2)(BC)=0であり、ωω2 だから B=C である。これを最初の式へ戻すと(ω+ω22)B=3B=0なので B=C=0 となる。a0 より
h(a3)=k(a3)=0 である。

a は零でない任意の実数であるから、hk は無限個の実数を根に持つ。
よって両者は零多項式であり、f(x)=g(x3)と表される。

総評

三次式による割り切れ方から、多項式の指数が3の倍数だけに限られることを示す問題。目安時間は18分。次数を3で割った余りごとの分解が最も実直で、複素数の三乗根を代入する方法も同じ三成分を別方向から消している。
\newpage

冊子PDFで見る阪大の数と式の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1981年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。