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大阪大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

実数を係数とする3次方程式x3+ax2+bx+c=0が異なる3つの実数解をもつとする.このとき a>0, b>0 ならば,
少なくとも2つの実数解は負であることを示せ.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安11

数と式方程式・不等式論証・証明 解と係数の関係、背理法、不等式評価

方針

3つの実数解を r,s,t とおき、解と係数の関係から r+s+t=a<0, rs+st+tr=b>0 を使う。負の解が0個なら和が負にならず矛盾する。負の解が1個だけと仮定し、u,v,w u,v,w>0 と書くと、和が負であることから u>v+w が従う。一方、2次の対称和が正であることから vw>u(v+w) が必要になるが、これは u>v+w と両立しない。

解答

3つの異なる実数解を r,s,t とおく。解と係数の関係より r+s+t=a,rs+st+tr=b である。仮定 a>0, b>0 から r+s+t<0,rs+st+tr>0 である。

負の解が1つもないとすると、3つの解はすべて0以上である。このとき r+s+t0 となり、r+s+t<0 に反する。したがって負の解は少なくとも1つ存在する。

次に、負の解がちょうど1つであると仮定する。解の順序を入れ替えて r=u,s=v,t=w と書ける。ただし u>0,v0,w0 である。ここで v=0 または w=0 なら rs+st+tr=u(v+w)0 となり、b>0 に反する。従って実際には v>0,w>0 である。

和について r+s+t=u+v+w<0 だから u>v+w である。一方、2次の対称和について rs+st+tr=(u)v+vw+(u)w=vwu(v+w) である。これが正であるから vw>u(v+w) が必要である。

しかし u>v+w より u(v+w)>(v+w)2 であり、さらに (v+w)2=v2+2vw+w2>vw である。したがって u(v+w)>vw となり、vw>u(v+w) と矛盾する。

よって負の解がちょうど1つであることも不可能である。以上より、負の実数解は 少なくとも2つ 存在する。

別解

解法2

方針

3つの実根の間には、Rolleの定理により導関数の2根が1つずつ存在する。
導関数は 3x2+2ax+b であり、a,b>0 からその2根の和は負、積は正である。
したがって2つの停留点はともに負であり、根の交互配置から元の方程式の小さい2根も負になる。

解答

3次式を F(x)=x3+ax2+bx+c とし、異なる3実根をr1<r2<r3とする。Rolleの定理により、F(x)=0
(r1,r2)(r2,r3) に少なくとも1根ずつもつ。
F は2次式なので、その2根を u1<u2 とすればr1<u1<r2<u2<r3.一方F(x)=3x2+2ax+b.解と係数の関係よりu1+u2=2a3<0,u1u2=b3>0.積が正なので2根は同符号、和が負なので u1,u2<0 である。
したがって r1<u1<0 かつ r2<u2<0 であり、
r1,r2 の少なくとも2根が負である。

総評

難度は10段階中4、計算量は3。目安時間は11分。解法1は本番答案として再現しやすい標準方針、解法2は構造を別方向から確認する方針である。

Rolleの定理を使う解法では3根と導関数の2根の交互配置を明示すると結論が一意に読める。

採点では、必要条件だけで止めず十分性・端点・小問番号を明示する。積分・総和・極限は独立行、分数は読みやすい表示寸法に統一し、問題固有の図は論理を補助する位置に置いた。

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出典: 大阪大学 2002年度 前期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。