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大阪大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

aを実数とするとき,関数f(x)=atan(π4x)xa+1について,次の問に答えよ.

(1) f(x)0<x<1において極値をもつようなaの範囲を求め,
このとき極値は0x1におけるf(x)の最小値であることを示せ.

(2) 方程式f(x)=00<x<1において解をもつようなaの範囲を求め,
このときの解はただ1つに限ることを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

三角関数微分方程式・不等式 増減表微分による最大最小、一意性証明、範囲評価

方針

まず f(x) を求め、0<x<11<1/cos2(πx/4)<2 となることを使う。(1)は f(x)=0 が内部に1つある条件を調べ、a>0 なら f(x)>0 なのでその極値が最小値になる。(2)は端点値 f(0)=1af(1)=0 と増減を組み合わせ、内部で0を横切るのが 2/π<a<1 の場合だけであることを示す。

解答

f(x)=atan(πx4)xa+1 である。微分すると f(x)=aπ41cos2(πx/4)1 である。また 0<x<1 では 0<πx4<π4 なので 1<1cos2(πx/4)<2 である。

(1) a0 のときは f(x)<0 であり、極値はない。よって a>0 とする。 f(x)=01cos2(πx/4)=4aπ と同値である。左辺は 0<x<1 で1から2まで単調に増加するので、内部に解をもつ条件は 1<4aπ<2 である。これを a について解くと 2π<a<4π である。

この範囲では a>0 であり、さらにf(x)=aπ28sin(πx/4)cos3(πx/4)>0(0<x<1)である。したがって f(x) は単調に増加し、ただ1回だけ負から正に変わる。よって f(x) はそこで減少から増加に移る。

したがって、このときの極値は 0x1 における f(x) の最小値である。

(2)

端点の値は f(0)=1a,f(1)=atanπ41a+1=0 である。

まず a2/π の場合を考える。このとき 0<x<1f(x)<0 または端点に近づくところを除いて f(x)0 であり、f は内部で増加しない。しかも f(1)=0 だから f(x)>0(0<x<1) であり、内部に解はない。

次に 2π<a<4π の場合を考える。このとき (1) より f は一度だけ減少から増加に移る。

このうち 2π<a<1 なら f(0)=1a>0 である。また極小点より右側では f は増加し、f(1)=0 であるから、x=1 の少し左では f(x)<0 である。よって中間値の定理により、0<x<1 に少なくとも1つ解がある。

さらに、減少部分では f は高い値から低い値へ一度だけ通過するので0を高々1回しか通らない。増加部分では、x<1 の間は f(x)<f(1)=0 であるから、0を通らない。したがって、この場合の解はただ1つである。

一方、1a<4π なら f(0)=1a0 であり、そこからいったん減少してから f(1)=0 まで増加するので、内部では f(x)<0 である。したがって内部に解はない。

最後に a4/π の場合は f(x)>0 または端点に近づくところを除いて f(x)0 であり、f は内部で減少しない。しかも a>1 なので f(0)=1a<0,f(1)=0 である。よって 0<x<1 では f(x)<0 であり、内部に解はない。

以上より、方程式 f(x)=00<x<1 に解をもつための条件は 2π<a<1 であり、このとき解はただ1つに限る。

たとえば 2/π<a<1 のグラフは次の形になる。右端 x=1 も零点だが、開区間内の零点は減少部分に1つだけである。

別解

解法2(係数 a を x の関数にする)

方針

極値条件と零点条件を、それぞれ a について解く。(1)では a=(4/π)cos2(πx/4) の値域、(2)では置換 t=π(1x)/4 により得る関数の単調性を調べる。

解答

(1) 0<x<1f(x)=0 となる条件を a について解くとa=4πcos2(πx4)である。右辺は x が0から1へ動くとき 4/π から 2/π へ狭義単調に減少する。したがって内部に停留点をもつ条件は2π<a<4πである。

この範囲では a>0 でありf(x)=aπ28sin(πx/4)cos3(πx/4)>0(0<x<1).よって f は狭義単調に増加し、ただ1つの停留点で負から正に変わる。その極値は [0,1] 全体での最小値である。

(2) 0<x<1 では tan(πx/4)<1 なので、f(x)=0a について解いてa=1x1tan(πx/4)を得る。ここでt=π(1x)4(0<t<π4)とおく。加法定理によりtan(πx4)=tan(π4t)=1tant1+tantだからa=2πt(1+cott)=:H(t).G(t)=t(1+cott) とおくとG(t)=1+cotttcsc2t.これに sin2t を掛けたものはsin2t+sintcosttである。その導関数はsin2t+cos2t10(0tπ4)で、t=0 で0だから、0<t<π/4 では G(t)>0 である。よって H は狭義単調に増加する。

さらにlimt0+H(t)=2π,H(π4)=1.したがって 0<x<1 に解をもつための必要十分条件は2π<a<1であり、H の狭義単調性から対応する t、したがって x はただ1つである。

総評

難易度6、計算量4、想定時間18~26分。(1)では sec2(πx/4) の値域が (1,2) であること、端点を含めないことが要点。(2)では f(1)=0 が常に成り立つため、開区間内の解だけを数える。増減表による方法と、ax の関数にして単調性を示す方法で、範囲 2/π<a<1 と一意性を独立に確認した。

冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1985年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。