Evolton

大阪大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

正の数θ1θ2θ3θ4θ5
θ1+θ2+θ3+θ4+θ5=2πを満たしながら変わるときsinθ1+sinθ2+sinθ3+sinθ4+sinθ5の最大値を,次の手順で求めよ.

(1) α<2πを満たす正の数αを決める.
θ1+θ2=αのとき,
sinθ1+sinθ2の最大値を求めよ.

(2) β<2πを満たす正の数βを決める.
θ1+θ2+θ3+θ4=βのとき,
sinθ1+sinθ2+sinθ3+sinθ4の最大値をθ5で表せ.

(3) sinθ1+sinθ2+sinθ3+sinθ4+sinθ5の最大値を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24

三角関数方程式・不等式 三角比の利用不等式評価、誘導利用

方針

二つ、四つ、五つの順に、固定和の正弦和を最大化する。最後は θ5 だけの関数にして増減を調べる。

解答

(1)
和積公式よりsinθ1+sinθ2=2sinα2cosθ1θ22.0<α<2π だから、最大値は θ1=θ2=α/2 のとき2sinα2である。

(2) γ=θ1+θ2 と置き、(1) を二組へ用いると四つの正弦和は2sinγ2+2sinβγ2=4sinβ4cos(γ2β4)以下である。最大は四つの角がすべて β/4 のときである。β=2πθ5 だから、その最大値は4cosθ54.(3)
t=θ5 と置くと最大化すべき関数はF(t)=4cost4+sint(0<t<2π)である。F(t)=sint4+cost.0<t<π では cost が減少し sin(t/4) が増加するので、零点はただ一つである。t=2π5cos(2π/5)=sin(π/10) よりその零点である。πt3π/2 では明らかに F<0 であり、3π/2<t<2π でも u=2πt と置けば cosu<cos(u/4) から F<0 である。

従って最大は全ての角が 2π/5 のときで5sin2π5である。

別解

解法2(一点で接する直線による一括評価)

方針

c=2π/5 における正弦曲線の接線が、区間 (0,2π) 全体で正弦曲線の上にあることを示す。五つの不等式を加えれば一度に最大値が出る。

解答

(1)
二つの角については和積公式からsinθ1+sinθ22sinα2,等号は θ1=θ2=α/2 のときに成り立つ。

(2)
これを二組へ適用し、二組の和にも和積公式を用いるとsinθ1+sinθ2+sinθ3+sinθ44sinβ4=4cosθ54.等号は四つの角が全て β/4 のときに成り立つ。

(3) c=2π5,L(x)=sinc+cosc(xc)と置く。G(x)=L(x)sinx とすればG(x)=cosccosx.G(0,c) で減少し、(c,2πc) で増加し、(2πc,2π) で再び減少する。しかもG(c)=0,G(2π)=sinc+(2πc)cosc>0.従って 0<x<2πsinxsinc+cosc(xc),等号は x=c のときだけである。

これを五つの角へ用いて加えるとi=15sinθi5sinc+cosc(i=15θi5c)=5sinc.等号は θ1==θ5=c のときに成立する。従って最大値は5sin2π5.

総評

難易度6、計算量5。目安時間は24分である。解法1は誘導どおり固定和を二等分して最後に一変数の増減を調べる。解法2は 2π/5 での接線による全区間評価で五変数を一括処理する。正弦は区間全体で単純な凹関数ではないため、接線評価では導関数の符号と端点まで確認する。

冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1986年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。