Evolton

大阪大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

Sを半径1の球面とし,その中心をOとする.
頂点Aを共有し,大きさの異なる2つの正四面体ABCDAPQRが次の2条件を満たすとする.

(i) 点OBCDは同一平面上にある.

(ii) 点BCDPQRは球面S上にある.

このとき,線分ABと線分APの長さを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 座標設定図形的解釈文字消去

方針

条件 (i) より、B,C,D は球の中心 O を通る平面上の半径 1 の円に内接する正三角形である。まずこの正三角形の辺長から正四面体 ABCD の一辺 AB と高さ AO を求める。次に、もう一つの正四面体 APQR の一辺を l とおき、P,Q,R が「中心 O、半径 1 の球」と「中心 A、半径 l の球」の交わりの円上にあることを使う。その交円の半径が正三角形 PQR の外接円半径 l/3 に等しい、という条件から l を決める。

解答

条件 (i) と (ii) より、点 B,C,D は中心 O、半径 1 の円周上にある正三角形の頂点である。半径 1 の円に内接する正三角形の一辺は 2sin60=3 であるから、正四面体 ABCD の一辺は AB=BC=3 である。

また、正三角形 BCD の中心は O である。正四面体の頂点 A から底面 BCD へ下ろした垂線の足も底面の中心なので、A,O は底面に垂直な同一直線上にある。正三角形 BCD の外接円半径は 1 だから AO2=AB2OB2=31=2 より AO=2 である。

次に、正四面体 APQR の一辺を l とおく。点 P,Q,RA から距離 l にあり、同時に O から距離 1 にある。したがって、P,Q,R は中心 O、半径 1 の球面と中心 A、半径 l の球面との交わりの円上にある。

この交わりの円の中心を H とし、OH=x、半径を ρ とする。2つの球の中心を結ぶ直線は AO であり、H はその上にある。直角三角形から x2+ρ2=1,(2x)2+ρ2=l2 である。二式を引くと 222x=l21 だから x=3l222 である。

一方、PQR は一辺 l の正三角形で、その外接円半径は l/3 である。したがって ρ=l3 である。これを x2+ρ2=1 に代入して l23=1(3l222)2 を得る。両辺を整理すると 3l410l2+3=0 となる。よって l2=3,l2=13 である。

このうち l2=3APQRABCD と同じ大きさになる場合であり、問題では2つの正四面体の大きさが異なるとされているので除く。したがって AP=l=13 である。以上より AB=3,AP=13 である。

総評

難度6、計算量5。正四面体の底面中心と球の中心が一致することを読み取り、後半を2球の交円の半径に変換する空間図形問題である。想定時間は20分程度。AB は半径 1 の円に内接する正三角形からすぐ出るが、AP では交円の半径が正三角形の外接円半径になる点を明示したい。最後に同じ大きさの解 AP=3 を条件で除くことが採点上の注意点である。

冊子PDFで見る阪大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1990年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。