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大阪大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

1辺の長さ2の正四面体ABCDと,APB>90を満たす空間内の点P全体のなす集合Sを考える.

(1) Sはどんな集合か.

(2) ABCSの交わりの面積を求めよ.

(3) 正四面体ABCDの表面とSの交わりの面積を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

ベクトル図形と方程式 図形的解釈座標設定面積計算

方針

AB の中点を中心とする半径1の球を考え,APB>90 をその球の内部条件に直す。(2)では面 ABC 上で座標を置き,半径1の円と正三角形の共通部分を,台形と円弧部分に分けて面積計算する。(3)では正四面体の4つの面を,AB を含む2面と含まない2面に分ける。含まない面では球の中心から面までの距離を求め,断面円の半径と,その円が辺の中点を通ることから同じ型の面積を計算する。

解答

(1) AB の中点を O とする。点 P について,APB=90 となる点全体は AB を直径とする球面である。これは,(PA)2+(PB)2=(AB)2 が直角の条件であり,AB=2 だから中心 O,半径1の球面になることから分かる。

したがって APB>90 となる点全体 S は,中心 O,半径1の球の内部である。境界上では角が直角になるので含まれない。

(2)
ABC 上で O を原点,ABx 軸にとり,A(1,0),B(1,0),C(0,3) とおく。この面で S と交わる部分は,円 x2+y2<1 と正三角形 ABC の共通部分である。面積には境界の開閉は影響しないので,以下では等号を含めて計算する。

円は辺 ACBC とそれぞれの中点で交わる。これらを E,F とするとE(12,32),F(12,32)である。求める図形は,台形 ABFE と,弦 EF の上側にある円弧部分を合わせたものである。

台形 ABFE の面積は,上底 EF=1,下底 AB=2,高さ 32 より 1+2232=334 である。また,扇形 EOF の中心角は 60 だから,扇形の面積は π6,三角形 EOF の面積は 34 である。したがって弦 EF の上側の円弧部分の面積は π634 である。

よって,ABCS の交わりの面積は334+(π634)=π6+32である。

(3)
ABC と面 ABD はどちらも AB を含むので,(2) と同じ面積 π6+32 をもつ。

次に,面 ACD を考える。O から面 ACD に下ろした垂線の足を H とする。頂点 B から面 ACD までの距離は,1辺2の正四面体の高さ 263 である。OAB の中点で,A は面 ACD 上にあるから,O から面 ACD までの距離はその半分で OH=63 である。

したがって,中心 O,半径1の球を面 ACD で切った円の半径は r=1OH2=123=13 である。また AO=1 なので AH=AO2OH2=13=r である。この断面円は辺 ACAD の中点を通る。これらを E,F とすると,面 ACD 上で求める部分は,扇形 EHF と2つの三角形 AHEAHF からなる。

ここで EHF=120,かつ AH=HE=HF=r であるから,扇形 EHF の面積=12r22π3=π9 であり,2三角形 AHE の面積=212r2sin120=36である。よって,面 ACD に現れる面積は π9+36 である。面 BCD でも同じである。

以上より,正四面体の表面と S の交わりの面積は2(π6+32)+2(π9+36)=5π9+433である。

別解

解法2

方針

各面に座標を置き、直角・鈍角条件を内積 (PA)(PB)<0 として円の不等式へ変換する。AB を含む面では積分で共通部分を求め、含まない面では B の正射影を用いて断面円の中心と半径を計算する。

解答

(1) APB>90(PA)(PB)<0.AB の中点を O とすると(PA)(PB)=PO2AO2=PO21だから、S は中心 O、半径1の球の内部である。

(2)
ABCA=(0,0),B=(2,0),C=(1,3) とおく。条件はx(x2)+y2<0(x1)2+y2<1.左右対称性より面積は2{01/23xdx+1/211(x1)2dx}.第1積分は 3/8、第2積分は 3/8+π/12 なので32+π6である。

(3)
AB を含む面は2枚あり、各面の面積は(2)と同じである。

ACDA=(0,0),C=(2,0),D=(1,3) とする。頂点 B のこの面への正射影は正三角形 ACD の重心H=(1,33)である。PA は面内のベクトルなので、鈍角条件は(PA)(PH)<0.これは中心K=(12,36),r=13の円の内部を表す。この円は A と辺 AC,AD の中点を通り、中心 K から両中点を見込む角は 120 である。したがって面 ACD 内の面積は12r22π3+212r2sin120=π9+36.BCD も同じである。ゆえに表面との交わりは2(π6+32)+2(π9+36)=5π9+433.

総評

直角条件を直径 AB の球に置き換え,その球と各面の交わりを面積計算する空間図形問題である。目安時間は22分。(2) は座標を置けば台形と円弧部分に分解できる。(3) は AB を含む面と含まない面で断面円の中心と半径が変わるため,4面を一括で扱わないことが大切である。含まない面では,正四面体の高さの半分が球の中心から面までの距離になる点と,断面円の半径 1/3 を出す点が主な採点点である。

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出典: 大阪大学 1993年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。