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大阪大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

Nn1n2n31n1<n2<n3n1+n2+n3=2Nを満たす
定められた整数とする.

赤玉,白玉N個ずつ計2N個の玉を3つに分けて,
袋1,袋2,袋3にそれぞれn1n2n3個入れてある.
このとき袋iの中の赤玉の個数をxi (i=1,2,3)とおく.

いま,これら3つの袋から無作為に1つの袋を選び,
その袋の中から1個の玉を無作為に取り出す.
このとき取り出される玉が赤玉である確率をPとする.

(1) Pnixi (i=1,2,3)を用いて表せ.

(2) x1x2x30xini (i=1,2,3)x1+x2+x3=Nの範囲で
変化させるとき,Pを最大にするx1x2x3を求めよ.
またそのときのPの値はいくらか.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

確率場合の数 期待値、範囲評価、計算整理

方針

(1) は袋を選ぶ確率 1/3 と、その袋から赤玉を引く条件付き確率 xi/ni を掛けて足す。(2) では Pxi に関する線形な式であり、係数が 1/n1>1/n2>1/n3 の順に大きいことを使う。赤玉が大きい袋に残っていて小さい袋に空きがあるなら、1個移すと P が増えるので、袋1、袋2、袋3の順に詰めるのが最大である。残りの赤玉が袋2に収まるかどうかで場合分けする。

解答

(1)
i が選ばれる確率はそれぞれ 1/3 である。袋 i が選ばれたとき、その袋から赤玉が取り出される確率は xi/ni である。したがって P=13(x1n1+x2n2+x3n3) である。

(2)
条件 n1<n2<n3 より 1n1>1n2>1n3 である。したがって、同じ赤玉1個を入れるなら、番号の小さい袋に入れるほど P は大きくなる。

これを交換で確認する。もし i<jxi<nixj>0 なら、袋 j から赤玉を1個減らし、袋 i に1個増やすことができる。このとき x1+x2+x3=N は保たれ、P の増加量は 13(1ni1nj)>0 である。よって最大のときには、袋1から順に可能な限り赤玉が入っていなければならない。

まず袋1には最大まで入れるので x1=n1 である。残りの赤玉は Nn1 個である。 Nn1n2、すなわち n3n1+n2 のとき、残りは袋2にすべて入る。したがって x1=n1,x2=Nn1,x3=0 である。このとき Pmax=13(1+Nn1n2) であり、N=(n1+n2+n3)/2 を用いると Pmax=13(1+n2+n3n12n2) となる。 Nn1>n2、すなわち n3>n1+n2 のとき、袋2にも最大まで入れ、残りを袋3に入れる。したがって x1=n1,x2=n2,x3=Nn1n2 である。このとき Pmax=13(2+Nn1n2n3) であり、同じく N=(n1+n2+n3)/2 より Pmax=13(2+n3n1n22n3) である。

総評

難度6、計算量5。確率の式を作った後は、制約付きの線形最大化として見る問題である。想定時間は20分程度。係数 1/ni が小さい袋ほど大きいので、赤玉を袋1から順に詰めるという交換論法を明示すると、感覚的な説明で終わらない。場合分けは残り Nn1 が袋2に収まるかどうか、すなわち n3n1+n2 かどうかで整理する。

冊子PDFで見る阪大の確率の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1990年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。