方針
整数座標を頂点にもつ1辺1の正方形は、格子の単位正方形に限られる。まず全単位正方形の個数 と、原点を頂点にもつ単位正方形の個数4を数える。4枚を同時に選ぶ条件はあるが、期待値は各特別な正方形が選ばれる確率の和で求められるので、期待値の線形性を使う。最後に を解く。
解答
(1)
頂点の座標が整数で、1辺の長さが1である正方形を考える。隣り合う2頂点を結ぶベクトルは整数成分をもち、長さが1であるから、可能なのは だけである。したがって条件(イ)を満たす板は、座標軸に平行な格子の単位正方形である。
頂点の 座標と 座標は の範囲にあるので、単位正方形の左下の頂点は を満たす整数点として選べる。したがって単位正方形全体の個数は である。
また、原点を頂点の1つにもつ単位正方形は、原点のまわりの4つである。これらを特別な正方形と呼ぶ。
4枚の板が重なり合わないという条件は、この 個の単位正方形から異なる4個を選ぶことと同じである。特別な正方形の1つを固定すると、4個のうちにそれが含まれる確率は である。原点を頂点にもつ板の枚数を とし、4つの特別な正方形について、それが選ばれたとき1、選ばれないとき0をとる量を とすれば である。よって期待値の線形性よりである。
別解。全配置数を数えてもよい。 とすると、配置数は である。1つの特別な正方形が含まれる配置数は だから、4つの特別な正方形についての出現回数の総和は である。したがって期待値はとなる。
(2)
(1)より、条件は である。両辺は正なので であり、 は自然数だから である。よって求める最小の は である。
総評
期待値の線形性を使うと、4枚を同時に置く複雑さを避けられる数え上げ問題である。目安時間は12分。まず、整数座標の頂点をもつ1辺1の正方形が格子の単位正方形に限られることを確認する。次に、全体 個、原点を頂点にもつもの4個という基本個数を押さえる。配置全体を直接分類しようとすると場合分けが増えるため、特別な1枚が選ばれる確率を足し上げるのが最も安定する。