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大阪大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

3次式f(x)=x3+ax2+bx+cを考える.0でない実数tをどのようにとっても2曲線y=f(x)y=f(x+t)が共有点を持たないための必要十分条件を,f(x)の係数を用いて書き表せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安14

関数方程式・不等式 判別式必要十分条件、パラメータ処理

方針

2曲線が共有点をもつかどうかは、ある実数 xf(x)=f(x+t) となるかどうかに尽きる。t0 で差 f(x+t)f(x) を割ると x の2次方程式になり、これがすべての t0 で実数解をもたない条件を判別式で調べる。判別式は t2 だけを含む形になり、t=0 は許されないが t を0に近づけられるため、境界では等号を許すことに注意する。最後に c が差に現れないことも確認する。

解答

2曲線 y=f(x)y=f(x+t) が共有点をもつことは、ある実数 x について f(x)=f(x+t) が成り立つことと同値である。ここで t0 として差を取るとf(x+t)f(x)=(x+t)3x3+a{(x+t)2x2}+bt=t{3x2+3tx+t2+a(2x+t)+b}である。したがって共有点をもたないためには、すべての t0 に対して 3x2+(3t+2a)x+t2+at+b=0 が実数解をもたなければならない。

この2次方程式の判別式を D(t) とするとD(t)=(3t+2a)212(t2+at+b)=9t2+12at+4a212t212at12b=4a212b3t2である。よって、すべての t0 で実数解をもたないための条件は 4a212b3t2<0(t0) である。

まず 4a212b0 ならば、任意の t0 について D(t)3t2<0 となるので共有点は存在しない。逆に 4a212b>0 なら、十分小さい t0 を取れば 3t2<4a212b となり、D(t)>0 である。このとき2次方程式は実数解をもち、共有点が生じる。

したがって必要十分条件は 4a212b0 すなわち ba23 である。定数項 c は差 f(x+t)f(x) で消えるので、c には制限はない。

別解。微分による見方もできる。 f(x)=3x2+2ax+b であり、この2次式がすべての実数 x で0以上である条件は (2a)212b0 すなわち ba23 である。このとき f は単調に増加し、等号の場合も f(x)=3(x+a3)2 となって一点を除いて増加しているので、異なる2点で同じ値を取らない。したがって t0 なら f(x+t)f(x) である。

一方、b<a23 なら f(x)=0 は異なる2つの実数解をもち、f は極大・極小をもつ。その2つの値の間の水平線は曲線と少なくとも2点で交わるので、異なる x1,x2 について f(x1)=f(x2) となる。t=x2x10 とすれば共有点が生じる。よって同じ条件が得られる。

総評

差を取って2次方程式の判別式へ帰着する問題である。目安時間は14分。採点上は、t0 で割れること、判別式 4a212b3t2t に関する最大値が t=0 ではなく0への極限として現れること、したがって <0 ではなく 0 が条件になることを明確に書きたい。c が条件に入らない理由まで述べると、必要十分条件として答案が締まる。

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出典: 大阪大学 1992年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。