Evolton

大阪大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

図のような容器を考える.空の状態から始めて,単位時間あたり一定の割合で水を注入し,底から測った水面の高さhが10になるまで続ける.水面の上昇する速さvは,水面の高さhの関数としてv=2+hlog(2+h) (0h10)で与えられるものとする.水面の上昇が始まってから水面の面積が最大となるまでの時間を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安16

微分積分指数・対数 微分による最大最小、置換積分、文字消去

方針

水を入れる量は単位時間あたり一定なので、「水面の面積 × 水面の上昇速度」が一定である。したがって水面の面積が最大になる高さは、v(h) が最小になる高さである。u=2+h とおいて u/logu を微分し、最小となる u=e2 を求める。その高さまでの時間は dt=dh/v(h) を積分して計算する。

解答

単位時間あたりに注入される水の体積を Q とする。高さ h における水面の面積を A(h) とすると、短い時間 dt の間に増える水の体積は A(h)dh=A(h)v(h)dt である。注入量は一定だから A(h)v(h)=Q であり、A(h)v(h) に反比例する。したがって水面の面積が最大となるのは、v(h) が最小となるときである。 u=2+h とおくと、0h10 より 2u12 であり、v=ulogu である。この範囲では logu>0 である。微分するとdvdu=12uloguu1u(logu)2=logu22u(logu)2である。分母は正なので、v2<u<e2 で減少,e2<u<12 で増加 する。2<e2<12 だから、vu=e2、すなわち h=e22 で最小となる。

求める時間を T とする。v=dhdt より dt=dhv(h) であるからT=0e22dhv(h)=0e22log(2+h)2+hdhである。u=2+h とおくと T=2e2loguudu である。さらに w=u とおけば、u=w2du=2wdw なのでloguudu=log(w2)w2wdw=4logwdwである。したがってT=42elogwdw=4[wlogww]2e=4{0(2log22)}=42(112log2)=22(2log2)である。

総評

水面面積の最大を、上昇速度 v の最小へ読み替える微積分問題である。目安時間は16分。図形の具体的な形に引きずられず、一定注入量から A(h)v(h)= 一定を立てるのが第一の関門である。v の最小点 u=e2 が範囲 [2,12] に入っている確認と、時間は v ではなく 1/v を積分するという点を落とさないこと。

冊子PDFで見る阪大の微分の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1992年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。