Evolton

大阪大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

(0,1)を通り曲線y=x3ax2に接する直線がちょうど2本存在するとき,実数aの値および2本の接線の方程式を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12

微分関数 接線・法線判別式、展開・因数分解

方針

接点の x 座標を t とおき,その接線が (0,1) を通る条件を t の3次方程式にする。接線がちょうど2本になるには,この3次方程式の相異なる解が2個になる必要があるので,重解条件 F(t)=F(t)=0 を調べる。得られた a について実際に接点と接線を求め,重解から出る接線と残りの接線が異なることまで確認する。

解答

曲線を f(x)=x3ax2 とおく。接点の x 座標を t とすると,接点は (t,f(t)),接線の傾きは f(t)=3t22at である。したがって接線の方程式は y=f(t)(xt)+f(t) である。

この直線が (0,1) を通る条件は 1=f(t)tf(t) である。これに f(t)=t3at2f(t)=3t22at を代入すると 1=t3at2t(3t22at)=at22t3 となる。すなわち,接点の候補は F(t)=2t3at2+1=0 の解である。

接線がちょうど2本存在するためには,この3次方程式が相異なる解をちょうど2個もつ必要がある。したがって重解をもつ必要がある。微分すると F(t)=6t22at=2t(3ta) である。F(0)=1 なので,重解は t=0 ではない。よって重解は t=a3 でなければならない。これを F(t)=0 に代入するとF(a3)=2(a3)3a(a3)2+1=1a327である。したがって a3=27 より a=3 を得る。

逆に a=3 のとき,F(t)=2t33t2+1=(t1)2(2t+1) であるから,接点の x 座標は t=1,t=12 の2種類である。 t=1 のとき,接点は (1,2),傾きは f(1)=36=3 なので,接線は y=3(x1)2=3x+1 である。 t=12 のとき,接点の y 座標は f(12)=18314=78 であり,傾きはf(12)=3146(12)=154である。よって接線は y+78=154(x+12) すなわち y=154x+1 である。

以上より,a=3 であり,2本の接線は y=3x+1,y=154x+1 である。

別解

解法2

方針

接点条件から得られる3次関数 F(t) のグラフを調べる。接線が2本であるためには F(t)=0 が相異なる2実根をもつ必要がある。極値の位置と値を調べ、極値がちょうど0になる場合を絞る。

解答

接点の横座標を t とすると、接線が (0,1) を通る条件はF(t)=2t3at2+1=0である。相異なる接線の本数は相異なる接点 t の個数に等しい。F(t)=2t(3ta)だから、極値をとり得る点は t=0t=a/3 である。3次関数が相異なる実根をちょうど2個もつには、極大値または極小値が0となって接する必要がある。しかし F(0)=1 なので、0になり得るのはもう一方だけである。そこでF(a3)=1a327=0より a=3 を得る。

実際、F(t)=2t33t2+1=(t1)2(2t+1)であるから、接点は t=1,1/2 の2個である。曲線を f(x)=x33x2 とすると、接線はy=f(t)(xt)+f(t)である。t=1 では f(1)=2, f(1)=3 よりy=3x+1.t=1/2 では f(1/2)=7/8, f(1/2)=15/4 よりy=154x+1.したがって a=3、接線はこの2本である。

総評

接点を t とおいて,外部の点を通る条件を t の方程式にする典型問題である。目安時間は12分。重要なのは,「接線が2本」を「接点候補の3次方程式が相異なる解を2個もつ」と読み替え,重解条件まで落とし込むところである。F(0)=1 により t=0 が重解でないことを明記すると論証が締まる。最後に a=3 で本当に2本になり,傾きの異なる2直線が得られることを確認するのが安全である。

冊子PDFで見る阪大の微分の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1993年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。