方針
直線 上の一般の点を と置き,それを行列 で移した点が必ず 上にあるという条件を, についての恒等式として読む。そこから第2行が第1行の 倍であることを出すと, の形が一気に決まる。(2) はその形を用いた行列積の計算で示し,(3) は の方向ベクトル が零でない倍率で同じ直線上を動くことを確認する。最後は「 に含まれる」だけでなく, 全体が得られることまで示す。
解答
(1)
直線 上の点は と表される。この点を で移すとすなわち,座標で書けば である。これが直線 上にあるので,すべての実数 について が成り立つ。右辺を展開すると であり, の係数と定数項を比較して を得る。
(2)
(1)
よりである。したがってであり,各成分を計算するととなる。一方,の各成分はで一致する。よって である。
(3)
直線 上の点は と表される。これを で移すとである。したがって得られる点は少なくとも 上にある。
ここで,もし ならば,(2)より となり, は零行列になってしまう。これは仮定に反する。したがって である。
このとき,任意の 上の点 に対し, と選べばとなる。よって 上の任意の点が実際に得られるので, により から得られる点全体は である。
総評
直線を直線へ移す条件を,点 に対する恒等式として読む基本問題である。目安時間は12分。採点上は,(1) の係数比較,(2) の行列積,(3) の倍率 の確認がそれぞれ得点点になる。最後に に入ることだけを書いて終わると不十分で,任意の 上の点が得られることまで示す必要がある。