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大阪大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

f(x)は2次の導関数をもち,f(0)<0を満たす関数で,さらに次の性質をもつという.原点をOとし,曲線y=f(x)上の任意の点P(x,y)に対し,点(x,y+1)Qとするとき,OPQの二等分線が曲線y=f(x)の点Pにおける法線になる.
このとき,以下の問に答えよ.

(1) f(x)の満たす微分方程式を求めよ.

(2) g(x)=f(x)とおくとき,g(x)の満たす微分方程式を求めよ.

(3) f(0)=1であるとき,f(x)の形を決定せよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

微分図形と方程式 接線・法線文字消去、計算整理

方針

P(x,f(x)) から OQ へ向かう単位ベクトルを作り,内角の二等分線の方向をその和で表す。この方向が法線方向であることから,接線の傾き f(x)f(x) の関係式を得る。(2)では g=f として(1)を微分し,さらに(1)を2乗して fg で表し,xg=g に整理する。(3)では xg=g から g=Cx を導き,f(0)=1 を使って f=C2x21 とおき,(1)へ戻して C を決める。

解答

(1) y=f(x) とおき,r=x2+y2 とする。点 P(x,y) から O(0,0) へ向かう単位ベクトルは (xr,yr) であり,点 P から Q(x,y+1) へ向かう単位ベクトルは (0,1) である。したがって,OPQ の内角の二等分線の方向は (xr,1yr) である。

この直線が曲線の法線である。まず x0 とすると,この法線の傾きは 1y/rx/r=ryx である。接線の傾き f(x) は法線の傾きの負の逆数だから f(x)=xry である。これを有理化すると f(x)=r+yx となり,xf(x)y=r を得る。y=f(x) を戻すと,求める微分方程式は xf(x)f(x)=x2+f(x)2 である。なお x=0 でも,f(0)<0 より左辺は f(0),右辺も f(0)=f(0) となるので,同じ式が成り立つ。

(2) g(x)=f(x) とおく。(1)を xg(x)f(x)=x2+f(x)2 と書く。両辺を微分すると,左辺の微分は xg(x) であり,右辺の微分は x+f(x)g(x)x2+f(x)2 である。よって(1)を用いて xg(x)=x+f(x)g(x)xg(x)f(x) を得る。

また,(1)を2乗すると {xg(x)f(x)}2=x2+f(x)2 である。整理して x2g(x)22xg(x)f(x)=x2 すなわち 2xg(x)f(x)=x2{g(x)21} を得る。x0g(x)=0 とするとこの式の右辺が x2 となり矛盾するので,g(x)0 である。したがって f(x)=x{g(x)21}2g(x) と表せる。

これを xg(x)=x+f(x)g(x)xg(x)f(x) に代入する。分子は x+f(x)g(x)=x+x{g(x)21}2=x{g(x)2+1}2 であり,分母はxg(x)f(x)=xg(x)x{g(x)21}2g(x)=x{g(x)2+1}2g(x)である。よって xg(x)=g(x)(x0) を得る。

(3)
(2)より,x0xg(x)=g(x) である。したがって (g(x)x)=xg(x)g(x)x2=0 であり,x>0x<0 のそれぞれで g(x)/x は定数である。さらに f は2次の導関数をもつので,g(0)=f(0) が存在し,左右で定数は一致する。よってある定数 C を用いて g(x)=Cx と書ける。

すなわち f(x)=Cx であるから,f(x)=C2x2+D である。条件 f(0)=1 より D=1 なので f(x)=C2x21 となる。

これを(1)に代入する。左辺は xf(x)f(x)=Cx2(C2x21)=1+C2x2 である。したがって 1+C2x2=x2+(C2x21)2 がすべての x で成り立つ。両辺は非負なので2乗してよく,(1+C2x2)2=x2+(C2x21)2 である。左辺は 1+Cx2+C24x4 であり,右辺は 1+(1C)x2+C24x4 である。係数を比較して C=1C より C=12 を得る。したがって f(x)=x241 である。実際この関数は(1)の微分方程式を満たすので,求める関数はこれである。

別解

解法2

方針

法線方向を (g,1) とし、鉛直上向きの単位ベクトルをこの法線に関して反射すると PO 方向になることを使う。反射公式から fg=f の代数関係を得て、それを微分して xg=g を導く。

解答

(1) y=f(x),g=f(x),r=x2+y2 とする。法線方向はn=(g,1)である。PQ 方向の単位ベクトル v=(0,1) を法線に関して反射すると、二等分条件により PO 方向の単位ベクトル u=(x/r,y/r) になる。反射公式からu=2(nv)nnnv=(2g1+g2,1g21+g2).成分を比較してxr=2g1+g2,yr=g211+g2.これらから xgy=r、すなわちxf(x)f(x)=x2+f(x)2を得る。

(2)
上の成分比からf(x)=x{g(x)21}2g(x)=x2(g(x)1g(x))である。x0 では g(x)0 なので微分できる。左辺の微分が g であることを使うとg=12(g1g)+xg2(1+1g2).整理してxg(x)=g(x)(x0)を得る。

(3)
g/x の導関数が0なので、g=Cx である。f が2次の導関数をもつため左右の定数は一致する。したがってf(x)=C2x21.これを(1)へ代入して両辺を2乗すると、x2 の係数からC=1Cとなり C=1/2 である。ゆえにf(x)=x241.

総評

角の二等分線を単位ベクトルの和で表し,法線条件を微分方程式に変換する難度の高い問題である。目安時間は25分。(1) では法線の傾きから接線の傾きへ移るときの負の逆数を間違えやすい。(2) は(1)を微分した式だけでは閉じず,2乗した式から f を消去するのが要点である。x0 で割る箇所と,g(x)0 の確認を書いておくと論理が安定する。(3) では xg=g から g=Cx とするだけで終わらず,最後に元の微分方程式へ戻して C=1/2 を決める必要がある。

冊子PDFで見る阪大の微分の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1993年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。