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大阪大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

f(x)=ex+ex2とおき,
曲線C:y=f(x)を考える.
1辺の長さaの正三角形PQRは最初,辺QRの中点Mが曲線C上の点(0, f(0))に一致し,
QRCに接し,さらにPy>f(x)の範囲にあるようにおかれている.
ついで,PQRが曲線Cに接しながら滑ることなく右に傾いてゆく.
最初の状態から,点Rが初めて曲線C上にくるまでの間,
Py座標が一定であるように,aを定めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安35

微分積分図形と方程式 接線・法線座標設定図形的解釈

方針

接点の x 座標を t とし、r=(et+et)/2s=(etet)/2 と置く。すると曲線上の点は (t,r)、接線方向の単位ベクトルと上向き法線方向の単位ベクトルが簡単に書ける。滑らない条件により、辺 QR 上で接点が中点から動いた距離は曲線の弧長 s に等しい。点 P の高さを t で表し、これが一定となる条件を求める。

解答

接点の x 座標を t とする。曲線は y=ex+ex2 である。以下 r=et+et2,s=etet2 とおく。このとき接点は (t,r) であり、また r2s2=1 である。

微分すると f(t)=etet2=s である。したがって、右向きの接線方向の単位ベクトルは (1r,sr) であり、上向きの単位法線ベクトルは (sr,1r) である。

次に、滑らない条件を長さで表す。x=0 から x=t までの曲線の長さは0t1+{f(x)}2dx=0tex+ex2dx=etet2=sである。滑ることなく転がるので、接点は辺 QR 上で、初めの中点 M から距離 s だけ動いた位置にある。

正三角形の高さを h=32a とおく。接点から中点 M へ向かう向きは、接線方向と反対向きで距離 s であるから、その y 成分の増加は ssr である。また M から P へは上向き法線方向に距離 h だけ進むので、その y 成分の増加は h1r である。

したがって点 Py 座標は r+s2r+hr=r2+s2+hr=h1r である。最初の状態は t=0r=1 だから、この値は h1 である。

R が初めて曲線上にくるまでの間、t0 から正の範囲を動き、r は一定ではない。よって h1r が一定であるためには h1=0 が必要である。また h=1 なら上の式は常に 0 なので、これは十分でもある。

したがって 32a=1 より a=23 である。

曲線に接して転がる正三角形

別解

解法2

方針

滑らずに転がる剛体の瞬間中心が接点であることを使う。
P の鉛直速度が常に0となる条件を、
接点から P への水平成分だけで判定する。

解答

接点の x 座標を t>0 としr=cosht,s=sinhtとおく。接点は Ct=(t,r) で、右向き単位接線と
上向き単位法線はT=(1r,sr),N=(sr,1r)である。

0 から t までの曲線の弧長は0t1+sinh2xdx=0tcoshxdx=s.滑らないので、接点から辺 QR の中点 M へのベクトルは
sT である。正三角形の高さを
h=3a/2 とするとCtP=sT+hN.その x 成分はsr+hsr=s(h1)r.滑らずに転がる剛体は、その瞬間には接点 Ct を中心に回転する。
従って P の速度は CtP に垂直であり、
その鉛直成分が0となるための必要十分条件は
CtP の水平成分が0であることである。
t>0 では s>0 だから、全区間で P の高さが一定となるのはh=1のときに限る。よって32a=1,a=23.

総評

滑らない接触を弧長で表し、正三角形の高さを追う難問。難度は高く、目安時間は35分前後。r=(et+et)/2s=(etet)/2 と置くことで、接線方向・法線方向・弧長がすべて短く書ける。最も間違えやすいのは、接点から中点 M への向きと符号である。最終的に P の高さが (h1)/r と整理できれば、一定条件は明確になる。 2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 大阪大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 前期 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。