方針
まず を代入して を確定する。次に で を で割り、 の近くで一次項 、二次項 が残れないことを示す。最後に が十分条件を満たすことを確認する。
解答
を代入すると であるから である。
以下、 とする。条件は である。両辺を で割ると を得る。
ここで を に近づけて考える。上の不等式から である。したがって がすべての で成り立つ。特に とすると でなければならない。 とすると である。 なのでさらに で割って を得る。これもすべての で成り立つ。 とすれば でなければならない。
よって必要条件として を得る。逆にこのとき左辺は そのものなので、問題の不等式はすべての実数 で成り立つ。
したがって求める値は である。
原点近くで一次式を挟む条件
別解
解法2
方針
絶対値不等式を上下2本の多項式不等式へ分ける。
まず上側の条件から一次式 が全実数で非正となることを使い、
次に下側の二次式を原点近くで評価して残る係数を決める。
解答
を代入するとだから である。
では両辺を で割ってを得る。これはと同値であり、とくに右側からがすべての で成り立つ。
なら十分大きい正の 、 なら絶対値の大きい負の
でこの不等式に反する。よって であり、さらに
である。
一方、左側の不等式は のもとでである。 とすれば だから、先の条件と合わせて
となる。
したがって必要条件はこのとき元の不等式は となるので十分でもある。
総評
絶対値不等式を全実数で満たす係数を決める問題。難度は標準上位で、目安時間は15分前後。 で定数項を消した後、 付近の条件が非常に強く、一次項・二次項が順に消える。ありがちな誤りは、 だけで議論して必要十分性を曖昧にすること、また最後に が実際に条件を満たす確認を落とすことである。 2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式による説明も併記している。