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大阪大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

3次式f(x)=x3+5x2+3x+ccは定数)について次の問に答えよ.

(1) f(x)=0が3個の相異なる実数解をもつためには,cの値はどんな範囲になければならないか.

(2) f(x)=0が3個の相異なる整数解をもつことがあるか.
また2個の相異なる整数を解としてもつのはどんな場合か.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

方程式・不等式微分整数 増減表微分による最大最小、解と係数の関係、場合分け

方針

(1)c を上下に動かす問題なので、g(x)=x3+5x2+3x の極大値と極小値を調べる。(2) は、整数解を持つならモニックな三次方程式の解と係数の関係から、3つの解を整数として扱える。平方和 p2+q2+r2 を求めると候補がごく少数に絞られ、3個相異なる場合と2個相異なる場合を同時に判定できる。

解答

(1) g(x)=x3+5x2+3x とおくと f(x)=g(x)+c である。導関数は g(x)=3x2+10x+3=(3x+1)(x+3) だから、g(x)+cx=3 で極大、x=1/3 で極小をとる。

それぞれの値は f(3)=9+c, f(13)=c1327 である。三次方程式 f(x)=0 が3個の相異なる実数解をもつためには、極大値が正、極小値が負であればよい。したがって 9+c>0,c1327<0 より 9<c<1327 である。

(2)
まず、3個の相異なる整数解を p,q,r と仮定する。解と係数の関係より p+q+r=5,pq+qr+rp=3 である。したがって p2+q2+r2=(p+q+r)22(pq+qr+rp)=256=19 となる。

平方数の和が 19 になる整数の組を考えると、絶対値の組は 3,3,1 または 4,1,1 に限られる。このうち和が 5 になるのは 3, 3, 1 だけである。これは3個が相異なる整数ではない。よって 3個の相異なる整数解をもつことはない である。

次に、2個の相異なる整数を解にもつ場合を考える。係数が整数で最高次係数が 1 なので、2個の整数解をもてば、残りの1解も解と係数の関係から整数である。上の候補より、整数解の組は 3, 3, 1 でなければならない。

このとき f(x)=(x+3)2(x1)=x3+5x2+3x9 である。したがって c=9 のときに限り、相異なる2個の整数解 3, 1 をもつ。

水平線 y=c が極大値と極小値の間にあれば、交点は3個

別解

解法2

方針

実数解の個数は極値で判定する。整数解については、相異なる2整数根を
u,v、その和を s とおき、第3根と解と係数の関係を用いて
u,v の二次方程式を作る。その判別式が平方数になる整数 s
全て調べる。

解答

(1)
g(x)=x3+5x2+3x とするとg(x)=(3x+1)(x+3).極大値は g(3)=9、極小値は
g(1/3)=13/27 である。水平線 y=c がこの2値の
間にあることが必要十分だから9<c<1327.(2)
2個の整数根を u,v とし、s=u+v とおく。第3根は
w=5s である。またuv+w(u+v)=3よりuv=s2+5s+3.したがって u,vX2sX+s2+5s+3=0の整数解であり、その判別式Δ=3s220s12は0以上の平方数でなければならない。Δ0 から
6s1 である。この6整数を調べると
Δ が平方数になるのはs=6(Δ=0),s=2(Δ=16)だけで、どちらも根の組全体は3,3,1となる。よって相異なる3整数根は存在しない。
相異なる2整数根をもつのはf(x)=(x+3)2(x1)の場合、すなわち c=9 のときに限る。

総評

極値による実数解の個数判定と、整数解の候補整理を組み合わせる問題である。目安時間は22分。整数解の部分は平方和 19 で候補を絞ると、3個相異なる場合の否定と c=9 の特定が一気に進む。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

冊子PDFで見る阪大の方程式・不等式の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。