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大阪大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

abcを0以上の実数とする.
次の問に答えよ.

(1) 2a+2b1+2a+bを示せ.

(2) abca+b+c=3をみたしながら動くとき2a+2b+2cの最大値を求めよ.
また,最大値を与えるabcの組(a,b,c)をすべて求めよ.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安10

指数・対数方程式・不等式 式変形、不等式評価、範囲評価

方針

(1) は指数法則で左辺を整理し、差を 2a1)(2b1) の非負性に帰着する。(2) は (1) を二度使って、二つの指数を一つにまとめるたびに和が増えないことを示す。最後に等号条件を二度分けて追い、どの変数だけが 3 になれるかを決める。

解答

(1) A=2a, B=2b とおく。a,b0 であるから A1, B1 である。示すべき不等式は A+B1+AB であり、右辺から左辺を引くと 1+ABAB=(A1)(B1) である。ここで A10, B10 なので (A1)(B1)0 である。したがって 2a+2b1+2a+b が成り立つ。

また、等号成立は A=1 または B=1、すなわち a=0 または b=0 のときである。

(2)
(1) より、x,y0 に対して 2x+2y1+2x+y が成り立つ。これをまず a,b に、次に a+b,c に用いると 2a+2b+2c1+2a+b+2c かつ 2a+b+2c1+2a+b+c であるから、a+b+c=3 より 2a+2b+2c2+23=10 となる。

次に等号条件を調べる。第一段階の等号は a=0 または b=0 のときであり、第二段階の等号は a+b=0 または c=0 のときである。 a+b=0 のとき、a,b0 より a=b=0 で、c=3 となる。c=0 のときは a+b=3 で、さらに第一段階の等号条件から a=0 または b=0 である。したがって (a,b,c)=(3,0,0), (0,3,0), (0,0,3) である。これらはいずれも実際に和を 10 にする。よって最大値は 10 で、最大値を与える組は (3,0,0), (0,3,0), (0,0,3) である。

別解

解法2

方針

x=2a,y=2b,z=2c とおく。(1)は積との差を因数分解する。
(2)は xyz=8 のもとで xyz+2(x+y+z)
x1,y1,z1 の非負な積の和に分解し、等号条件まで一度に決める。

解答

(1) 1+2a+b2a2b=(2a1)(2b1).a,b0 だから右辺は非負であり、2a+2b1+2a+b.等号は a=0 または b=0 のときに限る。

(2) x=2a,y=2b,z=2cとおくと x,y,z1 かつ xyz=8 である。恒等式xyz+2(x+y+z)=(x1)(y1)+(y1)(z1)+(z1)(x1)+(x1)(y1)(z1)の右辺は非負なのでx+y+zxyz+2=10.等号のためには、x1,y1,z1 のうち高々1個だけが正でなければならない。
xyz=8>1 だから正のものはちょうど1個である。よって(x,y,z)=(8,1,1),(1,8,1),(1,1,8).したがって最大値は10で、これを与える組は(a,b,c)=(3,0,0),(0,3,0),(0,0,3)である。

総評

指数法則と非負性だけで押し切る不等式問題。目安時間は10分。得点差が出るのは最大値そのものより等号条件で、二度の不等式適用のどちらでも等号になっている必要がある。途中で「一つにまとめるほど大きい」とだけ書くと、最大値を与える組の漏れが起きやすい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

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出典: 大阪大学 1996年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。