方針
t=xloga とおいて、問題を log(1+et) の評価に直す。下側は 1+et≧2et/2 から従う。上側は F(t)=log(1+et)−log2−t/2 とおき、F(0)=F′(0)=0、さらに 0≦F′′(t)≦1/4 を使って2回積分する形で F(t)≦t2/8 を示す。(2)では a=3,x=1/n として logan をはさみうちする。
解答
(1) t=xloga とおく。a>1、x≧0 なので t≧0 である。また ax=et である。
まず下側の不等式を示す。1 と et は正なので 1+et≧2et=2et/2 である。両辺の対数をとると log(1+et)≧log2+2t である。これは log2+2xloga≦log(1+ax) を意味する。
次に上側を示す。 F(t)=log(1+et)−log2−2t とおく。すると F(0)=0 であり、F′(t)=1+etet−21 なので F′(0)=0 である。また F′′(t)=(1+et)2et である。ここで (1+et)2−4et=(et−1)2≧0 より 0<F′′(t)≦41 である。 t≧0 で、F′(0)=0 だから F′(t)=∫0tF′′(u)du≦∫0t41du=4t である。さらに F(0)=0 より F(t)=∫0tF′(v)dv≦∫0t4vdv=8t2 である。したがって log(1+et)≦log2+2t+8t2 である。t=xloga を戻すと log(1+ax)≦log2+2xloga+8x2(loga)2 であり、求める不等式が示された。
(2)
(1)で a=3、x=1/n とする。するとlog2+2nlog3≦log(1+31/n)≦log2+2nlog3+8n2(log3)2である。各辺から log2 を引くと2nlog3≦log(21+31/n)≦2nlog3+8n2(log3)2である。
ここで logan=nlog(21+31/n) だから、上の不等式に n をかけて2log3≦logan≦2log3+8n(log3)2を得る。右端と左端は n→∞ でともに log3/2 に近づくので、はさみうちにより n→∞limlogan=2log3 である。指数関数は連続なので n→∞liman=e(log3)/2=3 である。
別解
解法2
方針
t=xloga とし、誤差関数 F(t)=log(1+et)−log2−t/2 の一階導関数を直接評価する。補助関数で 0≦F′(t)≦t/4 を示して積分し、(2)は対数を取った数列をはさみうちする。
解答
(1) t=xloga(t≧0)とおき、F(t)=log(1+et)−log2−2tとする。するとF′(t)=2(1+et)et−1≧0だから F(t)≧F(0)=0 であり、下側の不等式を得る。
上側の評価のためK(t)=t(1+et)−2(et−1)とおく。K′(t)=1+(t−1)et,K′′(t)=tet≧0.K′(0)=K(0)=0 なので K′(t)≧0、さらに K(t)≧0 である。これは2(1+et)et−1≦4tを意味する。従って0≦F(t)=∫0tF′(u)du≦∫0t4udu=8t2.t=xloga を戻せばlog2+2xloga≦log(1+ax)≦log2+2xloga+8x2(loga)2.(2)
(1)で a=3, x=1/n とすると2nlog3≦log(21+31/n)≦2nlog3+8n2(log3)2.n 倍して2log3≦logan≦2log3+8n(log3)2.はさみうちによりlogan⟶2log3,従ってn→∞liman=3.
総評
対数不等式を作って数列極限に使う問題で、想定時間は22分程度。下側は相加平均と相乗平均の形で即座に出るが、上側は F′′(t)≦1/4 を示してから F′(t)、F(t) の順に積分評価する流れを丁寧に書く必要がある。(2)では log(1+31/n) そのものではなく、log((1+31/n)/2) を扱うため、log2 を引く操作を明示したい。近似名に頼らず、与えられた不等式で完全にはさみうちできる。
冊子PDFで見る阪大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 1998年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。