方針
まずF(x)=enx−1−nxを考えて,x≧0で増加することからenx−1≧nxを示す。交点ではqn=enpn−1かつpn2+qn2=1である。(2)ではqn≦1とqn≧npnからpn≦1/nを得る。(3)では円の式でqn→1を出し,enpn=1+qnの対数を取ってnpn→log2を得る。(4)ではSn=pnqn,Tn=∫0pn(enx−1)dxを交点条件で整理して極限を取る。
解答
(1) F(x)=enx−1−nx とおく。x≧0において F′(x)=n(enx−1) である。nは自然数で,x≧0ならenx≧1だから F′(x)≧0 である。したがってF(x)はx≧0で増加する。また F(0)=0 なので F(x)≧0 である。よって enx−1≧nx(x≧0) が成り立つ。
(2)
交点(pn,qn)は第1象限にあるので pn>0,qn>0 であり,曲線上にあることから qn=enpn−1 である。(1)をx=pnに用いると qn=enpn−1≧npn である。一方,円x2+y2=1上の点なので qn≦1 である。したがって 0<pn≦nqn≦n1 となる。はさみうちにより n→∞limpn=0 である。
(3)
円の方程式より pn2+qn2=1 であり,qn>0だから qn=1−pn2 である。(2)よりpn→0なので n→∞limqn=1 である。
また,曲線上にあることから enpn=1+qn である。両辺は正なので対数を取ると npn=log(1+qn) となる。qn→1より n→∞limnpn=log2 である。
(4)
長方形の面積は Sn=pnqn である。また,曲線とx軸,直線x=pnで囲まれた図形の面積は Tn=∫0pn(enx−1)dx である。積分すると Tn=[n1enx−x]0pn=nenpn−1−pn であり,enpn−1=qnだから Tn=nqn−pn となる。したがって SnTn=pnqnqn/n−pn=npn1−qn1 である。
(3) よりnpn→log2,qn→1だから n→∞limSnTn=log21−1 である。よって log21−1 を得る。
別解
解法2
方針
un=npn と尺度変換すると、交点条件は un2/n2+(eun−1)2=1 となる。この一式から un の有界性、un→log2、qn→1 をまとめて導く。(1) は積分表示で示し、(4) は un を使って面積比を直接整理する。
解答
(1)
x≧0 ならenx−1=∫0nxetdt≧∫0nx1dt=nxである。
(2) qn=enpn−1≧npn かつ、円上なので qn≦1 である。したがって0<pn≦n1,ゆえに pn→0 である。
(3)
un=npn とおくと 0<un≦1 である。交点条件はn2un2+(eun−1)2=1.第1項は 0 に収束するから、正の平方根をとってeun−1⟶1.よってun=npn⟶log2,qn=eun−1⟶1.(4)Sn=pnqn=nunqnであり、Tn=∫0pn(enx−1)dx=nqn−pn=nqn−un.したがってSnTn=un1−qn1⟶log21−1.
総評
交点条件を不等式、円、対数、面積へ順に接続する極限問題。目安は25分。積分や極限は大きな表示数式に分け、pn→0、qn→1、npn→log2 の依存順序を崩さない。面積比は交点式で enpn−1 を qn に置き換えると簡潔になる。
冊子PDFで見る阪大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 1994年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。