方針
成分比較で零ベクトル条件を確定する。条件を満たす出現回数は一意なので、その並べ方を数え、隣接項比を直接比較して極限を評価する。
解答
(1)
成分を比較するとa−2b+c=0,23(b−c)=0.第2式からb=c、これを第1式に入れてa=b=cを得る。逆にa=b=cならx1+x2+x3=0より等式が成り立つ。従って必要十分条件である。
(2)
(1)とn1+n2+n3=3mより、零ベクトルとなるのはn1=n2=n3=mのときに限る。従ってPm=(m!)3(3m)!(31)3m.特にP1=333!=92.(3)
隣接項比はPm−1Pm=27m3(3m)(3m−1)(3m−2)=9m2(3m−1)(3m−2).一方、(3m−1)(3m−2)(m+1)=9m3−7m+2<9m3であるから、m>1ではPm−1Pm<m+1m.これを2からmまで用いると0<Pm<P13243⋯m+1m=9(m+1)4.右辺は0に収束するので、はさみうちによりm→∞limPm=0.
別解
解法2
方針
3ベクトルを複素平面の3乗根 1,ω,ω2 と見なす。零和条件は実部・虚部ではなく、ω2+ω+1=0 と ω∈/R から決める。確率は多項係数で数え、隣接比の各因子を比較する。
解答
(1) ω=−21+23iと置くと、3ベクトルは複素数1,ω,ω2に対応する。条件はa+bω+cω2=0.ω2=−1−ω を使うと(a−c)+(b−c)ω=0.ω は実数でないからa−c=0,b−c=0.従って a=b=c。逆は1+ω+ω2=0から明らかである。
(2)
n1+n2+n3=3m と (1) よりn1=n2=n3=mだけが零ベクトルを与える。従ってPm=(m!)333m(3m)!,P1=92.(3)Pm−1Pm=27m3(3m)(3m−1)(3m−2)=(1−3m1)(1−3m2).一方、(3m−1)(3m−2)(m+1)=9m3−7m+2<9m3(m>1) だからPm<m+1mPm−1.これを反復すると0<Pm<92⋅32⋅43⋯m+1m=9(m+1)4.従ってm→∞limPm=0.
総評
難度6、計算量5。3方向の零和を出現回数の一致へ帰着し、多項係数で確率を求める。隣接比の厳密不等式を望遠積へつなぎ、極限0を階乗近似に頼らず高校数学内で示した。
冊子PDFで見る阪大のベクトルの問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 1997年度 後期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。