Evolton

大阪大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

aを正の数として,2平面αβα:xa+ya+z=1,β:xa+yaz=1と2点A(a,0,0)B(0,a,0)を考える.
次の問いに答えよ.

(1) 原点O(0,0,0)の平面αに関する対称点をC
平面βに関する対称点をDとするとき,
CDの座標を求めよ.

(2) 直線CDと平面z=0との交点がABOの内部(ただし,線分ABを含める)にあるためのaの範囲を求めよ.

(3) a=2とする.
Pが平面α上を動き,点Qが平面β上を動くとき,
線分の長さの和OP+PQ+QOの最小値とそのときのPQの座標を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

ベクトル図形と方程式 座標設定図形的解釈対称性の利用

方針

平面の法線ベクトルを使って、原点から平面へ下ろした垂線の足を求め、対称点を二倍の位置として出す。(2) は直線 CDz=0 の交点が三角形 ABO の範囲 x0,y0,x+ya に入る条件に直す。(3) は反射で折れ線 OP+PQ+QOC から D への折れ線に変え、直線になるときの等号条件を求める。

解答

(1)
平面 αxa+ya+z=1 であるから、法線ベクトルを nα=(1a,1a,1) とおける。原点からこの平面に下ろした垂線の足は、λnα の形である。平面の式に代入すると λnα2=1 であり、nα2=2a2+1=a2+2a2 だから、垂線の足は nαnα2 である。原点の対称点はこの足を中点にする点なのでC=2nαnα2=(2aa2+2,2aa2+2,2a2a2+2)である。

同様に β の法線ベクトルは nβ=(1a,1a,1) であり、nβ2=(a2+2)/a2 なので D=(2aa2+2,2aa2+2,2a2a2+2) である。

(2)
(1) より、直線 CDx=y=2aa2+2 を満たす z 軸方向の直線である。したがって平面 z=0 との交点を E とすると E=(2aa2+2,2aa2+2,0) である。

三角形 ABO は平面 z=0 上で x0,y0,x+ya と表される。Ex,y 座標は正なので、必要十分条件は 2aa2+2+2aa2+2a である。a>0 より両辺を a で割って 4a2+21 すなわち a22 である。よって求める範囲は a2 である。

(3) a=2 のとき、(1) よりC=(23,23,43),D=(23,23,43)である。

C は原点 O を平面 α に関して対称移動した点であるから、Pα 上にあるとき OP=CP である。同様に、Qβ 上にあるとき QO=QD である。したがって OP+PQ+QO=CP+PQ+QD である。右辺は C から PQ を通って D へ行く折れ線の長さなので、三角不等式より CP+PQ+QDCD である。

ここで CD=83 である。等号が成り立つのは、C,P,Q,D がこの順に一直線上に並ぶときである。直線 CDx=y=23 である。

この直線と α の交点を求める。a=2 なので αx2+y2+z=1 であり、x=y=2/3 を代入すると 13+13+z=1 より z=1/3 である。したがって P=(23,23,13) である。同様に βx2+y2z=1 だから、x=y=2/3 を代入して z=1/3 を得る。よって Q=(23,23,13) である。

以上より、最小値は 83 で、そのときP=(23,23,13),Q=(23,23,13)である。

別解

解法2

方針

平面の式を x+y±az=a とし、原点と対称点を結ぶ直線が
法線方向であることから座標を直接決める。(3)は2回の鏡映で
折れ線を直線 CD へ延ばし、交点の順序まで確認する。

解答

(1)

α の法線方向は (1,1,a) である。
原点からの垂線の足を s(1,1,a) とするとs+s+a2s=a,よって s=a/(a2+2) である。対称点は足の2倍なのでC=(2aa2+2,2aa2+2,2a2a2+2).同様にD=(2aa2+2,2aa2+2,2a2a2+2).(2)

CDz=0 の交点はE=(2aa2+2,2aa2+2,0).ABOx,y0, x+ya だから4aa2+2a.a>0 よりa2.(3)

a=2 ではC=(23,23,43),D=(23,23,43).Pα,Qβ なら鏡映の性質によりOP=CP,QO=QD.したがってOP+PQ+QO=CP+PQ+QDCD=83.直線 CDα,β の交点は順にP=(23,23,13),Q=(23,23,13).C,P,Q,D はこの順に並ぶので等号は実現する。よって最小値は83であり、最小時の P,Q は上記の点である。

総評

空間内の反射を距離の最短問題へ使う問題。目安時間は25分。(1) は法線ベクトルの長さで割る処理、(2) は三角形 ABO の範囲条件、(3) は折れ線を直線 CD にできる等号条件が採点点になる。反射点を出しただけで終わらず、最小時の P,Q が実際に各平面上にあることまで確認する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

冊子PDFで見る阪大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1996年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。