Evolton

大阪大学 1998年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

ABCにおいて,3辺の長さをAB=cBC=aCA=bとする.

ABn等分した点を,Aに近い方から順にP1,P2,,Pn1とし,
PnBとする.
同様に,辺BCCAn等分した点をそれぞれ,
Bに近い方から順にQ1,Q2,,Qn1
およびCに近い方から順にR1,R2,,Rn1とし,
QnCRnAとする.

(1) k=1,2,,nについてPkQk2
nkacおよび内積BABCを用いて表せ.

(2) PkQk2+QkRk2+RkPk2
nkabcで表せ.

(3) 極限値limn1nk=1n(PkQk2+QkRk2+RkPk2)
abcで表せ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル数列 ベクトル成分計算内積の利用和の計算

方針

各頂点を原点にして内分点の位置ベクトルを表す。(2) は3頂点で得る式を巡回的に足し、余弦定理に相当する内積表示で交差項を辺長だけに直す。(3) は平方和の公式を用いる。

解答

(1)
Bを原点としu=BA,v=BCとおく。定義からBPk=nknu,BQk=knv.従ってPkQk=knvnknuであり、PkQk2=k2a2+(nk)2c22k(nk)uvn2.(2)
同じ式を3頂点で巡回的に用いる。3つの交差項に現れる内積の和はBABC+CBCA+ACAB=a2+c2b22+a2+b2c22+b2+c2a22=a2+b2+c22.従って、求める和は(nk)2+k2k(nk)n2(a2+b2+c2)すなわちn23nk+3k2n2(a2+b2+c2).(3)
T=a2+b2+c2とおくと、求める式はTnk=1n(13kn+3k2n2).和の公式を用いてT[13(n+1)2n+(n+1)(2n+1)2n2]となる。従って極限はa2+b2+c22.

別解

解法2

方針

3辺上の点を各頂点からの内分ベクトルで統一して表す。(2)では余弦定理で3つの内積の和だけを辺長へ変換し、(3)は有限和を割った式の各項の極限を取る。

解答

(1)
B を原点としu=BA,v=BCとおく。定義からBPk=nknu,BQk=knv.従ってPkQk=knvnknuであり、PkQk2=k2a2+(nk)2c22k(nk)BABCn2.(2)
同じ計算を3頂点で行う。余弦定理より2BABC=a2+c2b2,2CBCA=a2+b2c2,2ACAB=b2+c2a2.3式を加えると内積の和は (a2+b2+c2)/2 である。従って求める和はk2+(nk)2k(nk)n2(a2+b2+c2),すなわちn23nk+3k2n2(a2+b2+c2).(3)
T=a2+b2+c2 とおくと、求める量はT{13(n+1)2n+(n+1)(2n+1)2n2}.従ってlimn1nk=1n(PkQk2+QkRk2+RkPk2)=a2+b2+c22.

総評

難度5、計算量5。3本のベクトルを個別計算した後、内積の和が辺長二乗和の半分になることを使うと整理できる。各内分点の向きを定義どおり確認し、極限は平方和の公式を用いて端点を含む有限和から厳密に導いた。

冊子PDFで見る阪大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1998年度 後期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。