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大阪大学 2001年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

空間ベクトルx=(x1,x2,x3)
y=(y1,y2,y3)を考える.
ただし,どちらも零ベクトルではないとする.
k=1,2,3に対し,複素数zk=xk+yki(i=1は虚数単位)を考え,複素数wk=uk+vkiukvkは実数)をwk=(3+i)zkで定める.

さらにukvkから定まるベクトルu=(u1,u2,u3),v=(v1,v2,v3)を考える.

(1) xの大きさをryの大きさをs
xyのなす角をθ (0θ180)とするとき
z12+z22+z32rsθで表せ.

(2) xyの大きさが等しく,
両者はたがいに垂直であるとする.
このときuvも大きさが等しく,
たがいに垂直であることを示せ.

(3) (2)の仮定のもとで,xuのなす角を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル複素数平面 内積の利用、実部虚部比較、ベクトル成分計算

方針

(1)zk2=(xk2yk2)+2xkyki を足し合わせ、xk2=x2yk2=y2xkyk=xy に置き換える。(2)(3)では、wk=(3+i)zk を実部・虚部に分けて u=3xyv=x+3y を得る。あとは仮定 x=yxy=0 を用いて長さ、内積、なす角を順に計算する。

解答

(1) zk=xk+yki より zk2=(xk+yki)2=xk2yk2+2xkyki である。これを k=1,2,3 について足すとz12+z22+z32=k=13(xk2yk2)+2ik=13xkykとなる。ここでk=13xk2=r2,k=13yk2=s2,k=13xkyk=rscosθである。したがって z12+z22+z32=r2s2+2rscosθi である。

(2) wk=(3+i)(xk+yki)=(3xkyk)+(xk+3yk)i であるから uk=3xkyk,vk=xk+3yk である。よってベクトルで書けばu=3xy,v=x+3yとなる。

仮定より x=y かつ xy=0 である。共通の長さを r とするとu2=3x223xy+y2=4r2であり、同様にv2=x2+23xy+3y2=4r2である。したがって u=v である。

またuv=(3xy)(x+3y)=3x2+2xy3y2=0である。よって uv はたがいに垂直である。

(3) xu のなす角を ϕ とする。(2)より u=2r であり、xu=x(3xy)=3r2である。したがってcosϕ=xuxu=3r2r2r=32である。0ϕ180 より ϕ=30 である。

別解

解法2(直交座標の係数を見る)

方針

(1) では3成分をまとめて複素二次形式と内積の関係を使う。(2)(3)では、同じ長さで直交する x,y をその平面の直交座標軸とみなし、u,v の係数対だけを調べる。

解答

(1)

成分ごとの展開をまとめて書けばk=13zk2=xxyy+2ixy.従ってz12+z22+z32=r2s2+2rscosθi.(2)

wk=(3+i)zk の実部と虚部からu=3xy,v=x+3yである。(2)の仮定のもとで共通の長さを r とし、e1=xr,e2=yrとおくと、e1,e2 は直交する単位ベクトルである。この座標ではu=r(3e1e2),v=r(e1+3e2).係数対 (3,1)(1,3) はともに長さ2で、内積は0である。従ってu=v=2r,uv=0.(3)

xe1 の正方向であり、u の係数対は (3,1) である。従って両者のなす角を ϕ とするとcosϕ=32.よってϕ=30.

総評

複素数の実部・虚部の計算を、空間ベクトルの内積と長さに翻訳する問題。難度は標準、計算量は中程度で、目安時間は16〜20分。(1)では xkykrscosθ に置き換えるところ、(2)では u=3xyv=x+3y を正しく取り出すところが得点の中心である。符号を1つ間違えると直交性も角度も崩れるため、実部と虚部を最初に丁寧に分けたい。別解のように、xy が作る直交座標で係数だけを見ると、(2)(3)の意味が見えやすい。

冊子PDFで見る阪大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2001年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。