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大阪大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

平面上に双曲線 C:y=1x を考える.
d<c<0<b<a を満たす数 a,b,c,d に対し,曲線 C 上の4点
P,Q,R,Sx 座標がそれぞれ a,b,c,d であり,
四角形 PQSR が長方形であるとする.

(1) b,c,da を用いて表せ.

(2) 線分 PRx 軸との交点を T,線分 QSy 軸との交点を U とする.
線分 TU と曲線 C が共通点をもたないような a の値の範囲を求めよ.

(3) a が(2)の範囲にあるとき,3線分 PT,TU,UQ と曲線 C
囲まれた部分の面積 S(a) を求めよ.

(4) a が(2)の範囲を動くとき,S(a) の増減を調べ,最大値を求めよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安23

図形と方程式積分指数・対数 座標設定面積計算微分による最大最小

方針

(1) は長方形が平行四辺形であることから、対角線の中点一致を使って4点の対称性を導き、さらに隣り合う辺の垂直条件から ab=1 を出す。(2) は対角線上の点 T,U を求め、直線 TU と双曲線 y=1/x の交点の有無を2次方程式の判別式で調べる。(3) は曲線 QP と折れ線 QUTP の間の面積として、直線部分の面積を積分で整理する。(4) は得られた S(a) を微分し、(2) の範囲内で増減を判定する。

解答

(1) 各点はP=(a,1a),Q=(b,1b),R=(c,1c),S=(d,1d)である。四角形 PQSR が長方形であるから、まず平行四辺形であり、対角線の中点が一致する。したがって P+S=Q+R が成り立つ。座標ごとに書くと a+d=b+c,1a+1d=1b+1c である。

第2式は a+dad=b+cbc である。第1式と合わせると、もし a+d=b+c0 なら ad=bc となり、2数 a,db,c は和も積も等しいので同じ組になってしまう。これは d<c<0<b<a に反する。よって a+d=b+c=0 でなければならない。したがって d=a,c=b である。

次に、長方形であるから隣り合う辺 PQQS は垂直である。すなわち PQ=(ba,1b1a), QS=(ab,1a1b) の内積が0である。よって(ba)(ab)+(1b1a)(1a1b)=0である。整理すると (a2b2)+(1a21b2)=0 すなわち (a2b2)(11a2b2)=0 である。a>b>0 なので a2b20 であり、ab=1 を得る。したがって b=1a,c=1a,d=a である。また b<a より a>1 である。

(2) (1) より P=(a,1a),R=(1a,a) である。直線 PR は傾き1であり、y=xa+1a と書ける。よって x 軸との交点は T=(a1a,0) である。

同様に、Q=(1a,a),S=(a,1a) を通る直線 QSy=x+a1a であるから、y 軸との交点は U=(0,a1a) である。

ここで A=a1a とおく。a>1 より A>0 である。直線 TUy=Ax である。この線分と双曲線 y=1/x が共通点をもたないためには、0<x<A において Ax=1x が解をもたなければよい。これは x(Ax)=1 すなわち x2Ax+1=0 が実数解をもたないことと同値である。したがって判別式より A24<0 である。A>0 だから 0<A<2 であり、0<a1a<2 となる。a>1 と合わせて解くと a22a1<0 より 1<a<1+2 である。

(3) 以下、1<a<1+2 とする。A=a1a とおく。求める部分は、双曲線の弧 QP と折れ線 QUTP に囲まれた部分である。

双曲線の弧 QP の下の面積は1/aa1xdx=2logaである。一方、折れ線 QUTP に沿う直線部分は QU:y=x+A,UT:y=Ax,TP:y=xA である。向きに注意して Q から U,T,P へ進むと、直線部分に対応する積分は1/a0(x+A)dx+0A(Ax)dx+Aa(xA)dxである。これを計算すると1/a0(x+A)dx+0A(Ax)dx+Aa(xA)dx=a222+32a2である。

したがって面積は S(a)=2loga(a222+32a2) すなわち S(a)=a22+2loga+232a2 である。

(4) (3) の式を微分すると S(a)=a+2a+3a3 である。分母をそろえると S(a)=a4+2a2+3a3=(a23)(a2+1)a3 である。a>1 では a3>0, a2+1>0 なので、符号は (a23) の符号で決まる。

したがって 1<a<3で S(a)>0, 3<a<1+2で S(a)<0 である。よって S(a)1,3 で増加し、3,1+2 で減少する。最大は a=3 のときである。

このとき S(3)=32+2log3+212=log3 である。よって最大値は log3 である。

別解

解法2

方針

長方形の中心対称性と直交条件から4頂点を a だけで表す。
その後 a=eu と置くと、交点なしの条件は 2sinhu<2
面積は指数式となる。u による微分は因数分解しやすく、
最大点 e2u=3 が直接得られる。

解答

(1)
長方形の対角線の中点一致から P+S=Q+R
x 座標と y 座標へ適用するとa+d=b+c,1a+1d=1b+1c.順序条件により共通の和は0でなければならず、d=a,c=b
隣辺の内積を0とすると(a2b2)(11a2b2)=0.a>b>0 より ab=1。したがってb=1a,c=1a,d=a,a>1.(2)
A=a1/a とおくと T=(A,0),U=(0,A)
線分 TUy=Ax であり、双曲線との交点条件は
x2Ax+1=0。共通点がない条件は A2<4 なので1<a<1+2.(3)
双曲線弧と3線分の符号付き面積を計算するとS(a)=a22+2loga+232a2.ここで a=eu とおけばS(u)=e2u2+2u+232e2u.(4)dSdu=e2u+2+3e2u=(e2u3)(e2u+1)e2u.よって u<12log3 で増加、その後は減少する。
範囲内の a=3 で最大となりS(3)=log3.

総評

難度は10段階中8、計算量は8。目安時間は23分。解法1は本番答案として再現しやすい標準方針、解法2は構造を別方向から確認する方針である。

長方形の頂点順 P,Q,S,R に注意する。面積積分の向きと開区間 1<a<1+2 の端点除外が重要である。

採点では、必要条件だけで止めず十分性・端点・小問番号を明示する。積分・総和・極限は独立行、分数は読みやすい表示寸法に統一し、問題固有の図は論理を補助する位置に置いた。

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出典: 大阪大学 2002年度 前期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。