方針
(1) は既約分数 p/q を仮定して3が分子・分母の両方を割る矛盾を導く.(2)は (1+3)2=4+23 を代入し,有理数部分と 3 の係数を分離する.(3)は (2) で得た最小の2次式 x2−2x−2 で g(x) を割り,1次以下の余りが 1+3 で0なら余り自体が0であることを (1) から示す.
解答
(1) 3 が有理数であると仮定し3=qpと既約分数で表す.ただし p,q は正の整数とする.2乗して p2=3q2 だから p2 は3の倍数であり,p も3の倍数である.p=3k とおくと9k2=3q2,q2=3k2となり,q も3の倍数である.これは p/q が既約であることに反する.よって 3 は無理数である.
(2) (1+3)2=4+23 より0=f(1+3)=(4+a+b)+(2+a)3.もし 2+a=0 なら 3=−(4+a+b)/(2+a) は有理数となり,(1)に反する.したがって 2+a=0 であり,さらに 4+a+b=0 である.よってa=−2,b=−2である.
(3) h(x)=x2−2x−2 とおく.(2)より h(1+3)=0 である.有理数係数の多項式の割り算によりg(x)=h(x)q(x)+ux+vと書ける.ただし q(x) は有理数係数の多項式,u,v は有理数である.x=1+3 を代入するとu(1+3)+v=0.u=0 なら 3=−(u+v)/u が有理数となるので,(1)に反する.よって u=0,さらに v=0 である.したがって g(x)=h(x)q(x) である.
一方h(1−3)=(1−3)2−2(1−3)−2=0だからg(1−3)=h(1−3)q(1−3)=0.
別解
解法2
方針
(3) では多項式除法を使わず,g(1+3) を二項展開して A+B3 の形に整理する.係数が有理数であるため A,B も有理数であり,無理数性から A=B=0 が従う.3 の符号を変えれば共役な値も0になる.
解答
(1)
3=p/q と既約分数で表せると仮定する.2乗して p2=3q2 だから 3∣p である.p=3m とおくと q2=3m2 となり 3∣q でもある.これは既約性に反するので,3 は無理数である.
(2) 0=(1+3)2+a(1+3)+b=(4+a+b)+(2+a)3である.(1)の無理数性より4+a+b=0,2+a=0だからa=b=−2である.
(3)
g(x) の係数はすべて有理数である.(1+3)j を二項展開し,(3)2=3 を用いて整理すれば,ある有理数 A,B を用いてg(1+3)=A+B3と書ける.仮定より左辺は0なので,(1)からA=B=0でなければならない.
同じ二項展開で 3 を −3 に替えるとg(1−3)=A−B3となる.すでに A=B=0 だからg(1−3)=0である.
総評
難度6,計算量4,目安時間18分.(1)の無理数性を(2)(3)で段階的に使う構成である.(3)は「共役だから0」とだけ書かず,多項式除法で余りを0とするか,二項展開で A+B3 の有理係数を分離する.最高次係数1は議論を妨げないが,答案では与えられた条件のもとで証明を完結させる.
冊子PDFで見る阪大の数と式の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2009年度 後期 理系 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。