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大阪大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

実数abを係数に含む3次式P(x)=x3+3ax2+3ax+bを考える.
P(x)の複素数の範囲における因数分解をP(x)=(xα)(xβ)(xγ)とする.
αβγの間にα+γ=2βという関係があるとき,
以下の問いに答えよ.

(1) baの式で表せ.

(2) αβγがすべて実数であるとする.
このときaのとりうる値の範囲を求めよ.

(3) (1)で求めたbの式をf(a)とする.
aが(2)の範囲を動くとき,関数b=f(a)のグラフをかけ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

数と式方程式・不等式関数 解と係数の関係、判別式グラフの概形

方針

α+γ=2β は3つの根が β を中央とする等差数列になることを表す。そこで α=βd,γ=β+d と置き,解と係数の関係から βd2b を順に決める。根がすべて実数である条件は,中央の根 β=a が実数であることに加え,差 d が実数に取れること,すなわち d20 に帰着する。最後は b=f(a)=2a3+3a2 を,許された範囲 a0 または a1 上で増減を調べて描く。

解答

(1) α+γ=2β より,3つの根は β を中央とする等差数列である。したがって,ある複素数 d を用いて α=βd,γ=β+d と書ける。

解と係数の関係を用いる。P(x)=x3+3ax2+3ax+b であるから,α+β+γ=3a, αβ+βγ+γα=3a, αβγ=b である。まず α+β+γ=(βd)+β+(β+d)=3β なので 3β=3a,β=a である。

次にαβ+βγ+γα=(βd)β+β(β+d)+(β+d)(βd)=3β2d2である。これが 3a に等しいから,β=a を代入して 3a2d2=3a すなわち d2=3a23a=3a(a1) である。

またαβγ=(βd)β(β+d)=β(β2d2)=(a){a2(3a23a)}=(a)(2a2+3a)=2a33a2.したがって b=2a33a2 であり,b=2a3+3a2 である。

(2) a は実数であるから,中央の根 β=a は実数である。残りの2根 βd,β+d がともに実数であるためには,d が実数に取れることが必要十分である。よって d2=3a(a1)0 が条件である。したがって a0またはa1 である。

(3)

(1) で求めた関数は f(a)=2a3+3a2=a2(32a) であり,定義域は(2)より a0またはa1 である。

増減を調べると f(a)=6a2+6a=6a(1a) である。a<0 では f(a)<0 なので,a0 の枝は右へ進むにつれて減少し,limaf(a)=+,f(0)=0 である。

また a>1 でも f(a)<0 なので,a1 の枝も右へ進むにつれて減少し,f(1)=1,limaf(a)= である。したがってグラフは,点 (0,0) を含んで左上から下がってくる枝と,点 (1,1) を含んで右下へ下がる枝の2つからなる。0<a<1 の部分は定義域に含まれない。

0<a<1 の破線部分は,3根がすべて実数という条件を満たさない。

別解

解法2

方針

変数を y=x+a と平行移動すると,3つの根の平均 a が原点へ移る。等差数列をなす3根は d,0,d となるため,変換後の3次式が y で割り切れる条件から b を直ちに決める。残った2次因子の実数解条件が,そのまま a の範囲を与える。

解答

(1) y=x+a とおき,x=ya と平行移動して考える。するとP(ya)=y3+3a(1a)y+2a33a2+b.根が β=a を中央とする等差数列であることは,y で見た根が d,0,d になることと同じである。したがって P(ya)y で割り切れ,定数項が0でなければならない。よって 2a33a2+b=0 から b=2a3+3a2 を得る。(2) このときP(ya)=y{y2+3a(1a)}であるから,3根がすべて実数である条件は 3a(1a)=3a(a1)0 となり,(2)と同じ範囲を得る。

(3) (1)(2)よりf(a)=2a3+3a2,a0 または a1である。導関数は f(a)=6a(1a) なので,許された2区間ではともに単調減少する。またlimaf(a)=+,f(0)=0,f(1)=1,limaf(a)=である。したがって,グラフは点 (0,0) へ下がる左側の枝と,点 (1,1) から右下へ下がる右側の枝からなり,0<a<1 の部分は除く。

総評

等差数列型の根をどう置くかが全体の見通しを決める。想定時間は18分前後,難易度は5,計算量は5程度。α,β,γ が複素数の範囲で与えられているため,(1)では d を複素数として置いてよいが,(2)では実数根条件として d20 に戻る必要がある。グラフは単に3次関数全体を描くのではなく,0<a<1 を除いた2本の枝として描く点が採点上重要である。

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出典: 大阪大学 2008年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。