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大阪大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

(1) 平面上において座標軸に平行な主軸(長軸,短軸)をもち,
x軸,y軸の両方に接する楕円を考える.
その中心のx座標をaとする.
このような楕円のうち点A(1,2)を通るものが存在するための
aの範囲を求めよ.
ただし円は楕円の特別な場合とみなすものとする.

(2) (1)の楕円がちょうど2つ存在するようなaに対して,
その2つの楕円の中心をBCとする.
ABCの面積をS(a)で表すとき
この関数のグラフをかけ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安35

図形と方程式関数微分 座標設定軌跡グラフの概形微分による最大最小

方針

楕円の中心を (a,c) とおき、両座標軸に接する条件から半径方向の長さを a,c と表す。(1) は点 (1,2) を通る条件を、(2c)2c2 が非負実数として実現できるかに帰着する。(2) はその値を v=2a1a2 とおき、2つの中心の y 座標差から面積 S(a) を求める。最後に定義域を確認し、左右の区間で微分してグラフの概形を決める。

解答

(1)
楕円の中心を (a,c) とおく。座標軸に平行な主軸をもち、y 軸に接するため、横方向の半径は a である。また x 軸に接するため、縦方向の半径は c である。したがって楕円は (xa)2a2+(yc)2c2=1 と書ける。ただし a0c0 である。

この楕円が点 A(1,2) を通る条件は (1a)2a2+(2c)2c2=1 である。ここで第2項は常に0以上である。また任意の w0 に対して (2c)2c2=w を満たす実数 c0 は存在する。実際、w0 として 2cc=±w とおけばよく、少なくとも一方から c=21±w が得られる。

したがって、点 A を通る楕円が存在するための必要十分条件は 1(1a)2a20 である。これは (1a)2a2 と同値であり、整理すると 12a0 である。よって a12 である。

(2)
(1) の式で v=1(1a)2a2=2a1a2 とおく。点 A を通る楕円がちょうど2つ存在するには、方程式 (2c)2c2=vc についてちょうど2つの解をもてばよい。

(1) より存在には a12 が必要である。a=12 では v=0 となり、c=2 の1つだけである。また v=1 となるのは 2a1a2=1 すなわち (a1)2=0 より a=1 のときで、このときも c=1 の1つだけである。したがって、ちょうど2つ存在するのは a>12,a1 のときである。

この範囲では 0<v<1 であり、2つの解は c1=21+v,c2=21v である。2つの中心 B,C は同じ直線 x=a 上にあるのでBC=21v21+v=4v1v.ここで a>12 なので a>0 であり、v=2a1a,1v=12a1a2=(a1)2a2である。したがって BC=4a2a1(a1)2 である。

A(1,2) から直線 x=a までの距離は a1 であるから、三角形 ABC の面積はS(a)=12BCa1=124a2a1(a1)2a1=2a2a1a1.よって定義域は a>12,a1 であり、S(a)=2a2a1a1 である。

グラフを調べる。まず 12<a<1 では S(a)=2a2a11a である。このとき S(a)=2(a23a+1)(a1)22a1 である。区間 12<a<1 では a23a+1<0 なので S(a)>0 である。したがってこの枝は単調増加し、a12+0 で S(a)0,a10 で S(a) である。

次に a>1 では S(a)=2a2a1a1 である。このとき S(a)=2(a23a+1)(a1)22a1 である。a>1a23a+1=0 となるのは a=3+52 だけである。したがって、1<a<3+52 では減少し、a>3+52 では増加する。

最小値はS(3+52)=23+522+51+52=(1+5)2+5である。またa1+0 で S(a),a で S(a)である。

以上より、グラフは次の特徴をもつ。定義域は (12,1)(1,)。左の枝は (12,1) で単調増加し、a=1 を縦の漸近線として無限大に発散する。右の枝は a=1 の右で無限大から始まり、a=3+52 で最小値 (1+5)2+5 をとった後、再び無限大へ増加する。

別解

解法2(中心座標の2次方程式を使う)

方針

中心を (a,c) として楕円条件を c の2次方程式へ直す。判別式で存在個数を判定し、2根の差を根と係数の関係から求めて三角形の面積を出す。

解答

(1)
中心が (a,c) なら、両座標軸に接する楕円は(xa)2a2+(yc)2c2=1である。点 (1,2) を代入して(2c)2c2=1(1a)2a2=2a1a2を得る。左辺は非負なので 2a10 が必要であり、逆にこの条件なら c を選べる。よってa12.(2)v=2a1a2とおく。中心の y 座標は(1v)c24c+4=0の根である。a>12 では v>0 であり、v=1a=1 のときだけである。したがって楕円がちょうど2つある範囲はa>12,a\neqq1.2根を c1,c2 とする。判別式は 16v だからc1c2=4v1v.中心を結ぶ線は x=a で、点 A(1,2) からこの直線までの距離は a1 である。ゆえにS(a)=12a1c1c2=2a2a1a1.微分するとS(a)={2(a23a+1)(a1)22a1,12<a<1,2(a23a+1)(a1)22a1,a>1.左の枝は0から無限大へ単調増加する。右の枝はa=3+52まで減少し、その後増加する。この点での最小値は(1+5)2+5.a=1 は縦の漸近線である。

総評

難度8、計算量8。目安時間は28〜36分。採点ポイントは、座標軸に接する楕円を (xa)2a2+(yc)2c2=1 と置くこと、存在条件と個数条件を v=2a1a2 の値で分けること、2つの中心の距離から面積関数を正しく作ることです。

誤りやすいのは、a=12a=1 を2個存在する場合に含めてしまうことです。どちらも楕円は1つだけなので、S(a) の定義域から外れます。また、a1 を外すときに左右の区間を分けないと、増減や漸近線の説明が崩れます。グラフ問題では、式だけでなく定義域、縦の漸近線、最小値、端での極限をセットで示すことが重要です。

第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を独立に確認する。図は条件の役割と解法の流れを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。

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出典: 大阪大学 2003年度 前期 理系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。