方針
楕円の中心を とおき、両座標軸に接する条件から半径方向の長さを と表す。(1) は点 を通る条件を、 が非負実数として実現できるかに帰着する。(2) はその値を とおき、2つの中心の 座標差から面積 を求める。最後に定義域を確認し、左右の区間で微分してグラフの概形を決める。
解答
(1)
楕円の中心を とおく。座標軸に平行な主軸をもち、 軸に接するため、横方向の半径は である。また 軸に接するため、縦方向の半径は である。したがって楕円は と書ける。ただし 、 である。
この楕円が点 を通る条件は である。ここで第2項は常に0以上である。また任意の に対して を満たす実数 は存在する。実際、 として とおけばよく、少なくとも一方から が得られる。
したがって、点 を通る楕円が存在するための必要十分条件は である。これは と同値であり、整理すると である。よって である。
(2)
(1) の式で とおく。点 を通る楕円がちょうど2つ存在するには、方程式 が についてちょうど2つの解をもてばよい。
(1) より存在には が必要である。 では となり、 の1つだけである。また となるのは すなわち より のときで、このときも の1つだけである。したがって、ちょうど2つ存在するのは のときである。
この範囲では であり、2つの解は である。2つの中心 は同じ直線 上にあるのでここで なので であり、である。したがって である。
点 から直線 までの距離は であるから、三角形 の面積はよって定義域は であり、 である。
グラフを調べる。まず では である。このとき である。区間 では なので である。したがってこの枝は単調増加し、 である。
次に では である。このとき である。 で となるのは だけである。したがって、 では減少し、 では増加する。
最小値はである。またである。
以上より、グラフは次の特徴をもつ。定義域は 。左の枝は で単調増加し、 を縦の漸近線として無限大に発散する。右の枝は の右で無限大から始まり、 で最小値 をとった後、再び無限大へ増加する。
別解
解法2(中心座標の2次方程式を使う)
方針
中心を として楕円条件を の2次方程式へ直す。判別式で存在個数を判定し、2根の差を根と係数の関係から求めて三角形の面積を出す。
解答
(1)
中心が なら、両座標軸に接する楕円はである。点 を代入してを得る。左辺は非負なので が必要であり、逆にこの条件なら を選べる。よって(2)とおく。中心の 座標はの根である。 では であり、 は のときだけである。したがって楕円がちょうど2つある範囲は2根を とする。判別式は だから中心を結ぶ線は で、点 からこの直線までの距離は である。ゆえに微分すると左の枝は0から無限大へ単調増加する。右の枝はまで減少し、その後増加する。この点での最小値は は縦の漸近線である。
総評
難度8、計算量8。目安時間は28〜36分。採点ポイントは、座標軸に接する楕円を と置くこと、存在条件と個数条件を の値で分けること、2つの中心の距離から面積関数を正しく作ることです。
誤りやすいのは、 や を2個存在する場合に含めてしまうことです。どちらも楕円は1つだけなので、 の定義域から外れます。また、 を外すときに左右の区間を分けないと、増減や漸近線の説明が崩れます。グラフ問題では、式だけでなく定義域、縦の漸近線、最小値、端での極限をセットで示すことが重要です。
第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を独立に確認する。図は条件の役割と解法の流れを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。