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大阪大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験(数学理系)理系数学 第5問

座標平面上に直線l:xsinθ+ycosθ=1
(0<θ<π2)がある.
不等式x0,y0,xsinθ+ycosθ1が表す領域をD
不等式x0,y0,xsinθ+ycosθ1が表す領域をDとする.

D内に半径Rの2つの円C1C2を,
C1ly軸に接し,C2lx軸に接し,
さらにC1C2が外接するようにとる.
またD内に半径rの2つの円C1C2を,
C1ly軸に接し,C2lx軸に接し,
さらにC1C2が外接するようにとる.

(1) rRθで表せ.

(2) θ0<θ<π2の範囲を動くとき,
rRのとりうる値の範囲を求めよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安35

図形と方程式三角関数 座標設定三角比の利用微分による最大最小

方針

s=sinθ, c=cosθ と置く。各円の中心は、軸に接する条件から (R,y1), (x2,R) または (r,y1), (x2,r) と書ける。直線 l までの距離が半径に等しい条件で中心座標を半径の式にし、2円が外接する条件で R,r を決める。計算を簡単にするため u=tan(θ/2) と置き、半角公式で整理する。半径比 F(u)=r/R を得たら、0<u<1 で微分して最大値を求める。

解答

(1) s=sinθ,c=cosθ とおく。0<θ<π/2 より s>0,c>0 である。

まず領域 D 内の2つの円を考える。C1y 軸に接する半径 R の円なので、その中心を (R,y1) とおく。C1 は直線 l:sx+cy=1 にも接し、領域 D 側にあるから、中心から直線までの距離が R であることは sR+cy11=R と表せる。したがって y1=1+R(1s)c である。同様に、C2 の中心を (x2,R) とおくと sx2+cR1=R より x2=1+R(1c)s である。さらに C1,C2 は外接するので (x2R)2+(Ry1)2=4R2 である。

次に領域 D 内の2つの円を考える。今度は直線の反対側にあるので、中心と直線の距離条件は符号が反対になる。C1 の中心を (r,y1)C2 の中心を (x2,r) とすると、y1=1r(1+s)c,x2=1r(1+c)s であり、外接条件は (x2r)2+(ry1)2=4r2 である。

ここで u=tanθ2 とおく。0<θ<π/2 だから 0<u<1 であり、半角公式より s=2u1+u2,c=1u21+u2 である。これを上の2つの外接条件に代入して整理する。D 側については正の半径を選ぶと R=(1+u2)22u(1u)(u2+2u+3) である。D 側についても、領域内にある正の半径を選ぶと r=(1+u2)22(1+u)(1+2uu2) である。したがって rR=u(1u)(u2+2u+3)(1+u)(1+2uu2) である。すなわちrR=u(1u)(u2+2u+3)(1+u)(1+2uu2),u=tanθ2である。

(2) F(u)=u(1u)(u2+2u+3)(1+u)(1+2uu2) とおく。0<u<1 では 1+u>0,1+2uu2>0 であるから、分母は正である。

微分して整理すると F(u)=(1+u2)(u24u3)(u2+2u1)(1+u)2(1+2uu2)2 である。0<u<1 では 1+u2>0,u24u3<0 であり、分母も正である。したがって増減を決めるのは u2+2u1 の符号である。 u2+2u1=00<u<1 にある解は u=21 である。よって F(u)0<u<21 で増加し、21<u<1 で減少する。したがって最大値は u=21 で生じる。

このとき計算すると F(21)=21 である。またlimu0+F(u)=0,limu1F(u)=0であり、端点 u=0,10<θ<π/2 に含まれない。したがって r/R の取り得る値の範囲は 0<rR21 である。

二つの領域の接円配置

別解

解法2

方針

中心から直線までの符号付き距離を使って二円の中心を半径の一次式で表す。外接条件を半角変数 u=tan(θ/2) で有理化し,物理的に第1象限内にある根だけを選ぶ。最後に対数微分ではなく因数分解済みの導関数で増減を決める。

解答

(1) s=sinθ, c=cosθ とする。領域 D の二円の中心をA=(R,y1),B=(x2,R)と置く。符号付き距離からy1=1+R(1s)c,x2=1+R(1c)s.領域 D ではA=(r,y1),B=(x2,r),y1=1r(1+s)c,x2=1r(1+c)s.それぞれの外接条件はAB=2R,AB=2r.\newpage
\brackethead{半角変数による整理}u=tanθ2,s=2u1+u2,c=1u21+u2,0<u<1を代入して因数分解すると,正でかつ各中心が第1象限内にある根はR=(1+u2)22u(1u)(u2+2u+3),r=(1+u2)22(1+u)(1+2uu2).したがってF(u)=rR=u(1u)(u2+2u+3)(1+u)(1+2uu2).なお外接方程式のもう一つの正根では y1<0 または x2<0 となるため,領域 D の円ではない。

(2)
微分するとF(u)=(1+u2)(u24u3)(u2+2u1)(1+u)2(1+2uu2)2.0<u<1 では u24u3<0 だから,Fu0=21まで増加し,その後減少する。さらにF(u0)=21,limu0+F(u)=limu1F(u)=0.よって0<rR21.

総評

難度8、計算量8。目安時間は35〜45分。接円条件をすべて座標と距離で書き下す計算問題である。円がどちらの領域にあるかで、直線までの距離条件の符号が変わる点が最初の注意点になる。中心座標を半径で表した後、2円の外接条件に代入すると式がかなり重くなるため、半角置換 u=tan(θ/2)sinθ,cosθ を有理式にするのが有効である。(2)は分母が正であることを確認してから微分の符号を読む。最大は u=21、すなわち中間の角で達成され、両端では比が0に近づく。

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出典: 大阪大学 2004年度 前期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。