Evolton

大阪大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験(数学文系)文系数学 第2問

座標平面上で不等式yx2の表す領域をDとする.
D内にありy軸上に中心をもち原点を通る円のうち,最も半径の大きい円をC1とする.
自然数nについて,円Cnが定まったとき,Cnの上部でCnに外接する円で,
D内にありy軸上に中心をもつもののうち,最も半径の大きい円をCn+1とする.
Cnの半径をanとし,bn=a1+a2++anとする.

(1) a1を求めよ.

(2) n2のときanbn1で表せ.

(3) annの式で表せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

図形と方程式数列 座標設定漸化式の変形、帰納的定義の利用

方針

円の下端の高さを h,半径を r とし,円の下側の弧が放物線 y=x2 より上にある条件を代数的に調べる。t=x2 と置いて二次式の最小値を見ると,最大円でh=(r12)2が成り立つ。Cn の下端はそれ以前の円の直径の和 2bn1 に等しいので漸化式が得られ,cn=2bn により等差数列へ帰着する。

解答

(1)
C1 の中心を (0,r),半径を r とする。円の下側の弧はy=rr2x2である。原点近くで円が D に含まれるためにはrr2x2x2が必要である。t=x2>0 として両辺を整理すると,十分小さい t に対して(rt)2r2t,t(t+12r)0が必要だから r12 である。

逆に r=12 なら1214x2x2が円上の全範囲で成り立つ。したがってa1=12である。

(2)
一般に,下端の高さが h,半径が r の円の中心は (0,h+r) である。円周上で t=x2 と置くと,円の下側が放物線以上にある条件はh+rr2tt.両辺を平方して得られる差はΦ(t)=(h+rt)2(r2t)=t2+(12h2r)t+h2+2hr.半径を増やしていくと,最大の場合には Φ(t) が接点で重根をもつ。判別式を0とすると(12h2r)24(h2+2hr)=4{(r12)2h}=0.上側に積む円では r>12 だからr=12+h.Cn の下端は C1,,Cn1 の直径の和であり,h=2bn1.ゆえにan=12+2bn1(n2).(3)cn=2bnと置く。(2) より an=12+cn1 なのでcn2=2bn=2bn1+2an=cn12+2cn1+1=(cn1+1)2.cn>0 より cn=cn1+1 である。またc1=2a1=1だから cn=n,したがって bn=n22 である。よってan=bnbn1=2n12を得る。

放物線内に積み上がる最大円

別解

解法2

方針

最大円と放物線の接点を (u,u2) とし,中心が放物線の法線上にあることから半径と下端の高さの関係を作る。その後は bn を直接帰納して閉じた形を得る。

解答

(1)
下端が h,半径が r の円の中心を (0,h+r),放物線との接点を (u,u2) とする。放物線の接線の傾きは 2u だから,中心と接点を結ぶ法線条件よりu2(h+r)u=12u.したがってh+r=u2+12.さらに中心と接点の距離が r なのでr2=u2+(h+ru2)2=u2+14.二式からh=(r12)2を得る。

C1 では h=0 であり,原点を通る最大円だから a1=12。(2)
n2 では h=2bn1 であるためan=12+2bn1.(3)
ここでbn=n22を帰納法で示す。n=1 では成立する。bn1=(n1)22 と仮定すればan=12+n1=2n12であり,bn=bn1+an=(n1)2+2n12=n22.したがってan=2n12である。

総評

難度7、計算量6。目安時間は25〜32分。円を1つずつ直接描くより、円の下端の高さ h と半径 r の関係を先に作るのが本質である。最大の円は放物線に接するので、中心と接点を結ぶ半径が放物線の法線になる。この接触条件から h=(r1/2)2 が得られれば、あとは数列の問題になる。Cn の下端の高さが、それまでの半径の和の2倍 2bn1 であることを見落とすと漸化式がずれる。cn=2bn と置くと等差数列になる点がこの問題のきれいな整理である。

冊子PDFで見る阪大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2004年度 前期 文系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。