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大阪大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験(数学文系)文系数学 第1問

3次関数f(x)=x3+3ax2+bx+cに関して以下の問いに答えよ.

(1) f(x)が極値をもつための条件を,f(x)の係数を用いて表せ.

(2) f(x)x=αで極大,x=βで極小になるとき,
(α,f(α))と点(β,f(β))を結ぶ直線の傾きmf(x)の係数を用いて表せ.
また,y=f(x)のグラフは平行移動によってy=x3+32mxのグラフに移ることを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

関数微分 増減表、式変形、置換

方針

(1) は導関数 f(x)=3x2+6ax+b が異なる2つの実数解をもつ条件で判定する。(2)では極大点・極小点の x 座標 α,βf(x)=0 の2根であることを使い、和と積から直線の傾き m を係数で表す。さらに xXa と置いて3次関数の2次項を消すと、残る1次係数が b3a2=32m になる。定数項は縦方向の平行移動で消せるため、標準形 y=x3+32mx に移る。

解答

(1) f(x)=3x2+6ax+b である。3次関数 f(x) が極値をもつためには、f(x)=0 が異なる2つの実数解をもてばよい。したがって判別式が正であることが条件である。 (6a)243b>0 より 36a212b>0 である。したがって b<3a2 が求める条件である。

(2) f(x)x=α で極大、x=β で極小をとるとする。このとき α,βf(x)=0 の2つの解である。よって 3x2+6ax+b=0 の解と見れば、α+β=2a,αβ=b3 である。

2点 (α,f(α)), (β,f(β)) を結ぶ直線の傾きは m=f(α)f(β)αβ である。分子を因数分解するとf(α)f(β)=(α3β3)+3a(α2β2)+b(αβ)=(αβ){α2+αβ+β2+3a(α+β)+b}.したがって m=α2+αβ+β2+3a(α+β)+b である。ここでα2+αβ+β2=(α+β)2αβ=4a2b3だから、m=4a2b3+3a(2a)+b=23b2a2 である。

次に、グラフの平行移動を考える。X=x+a、すなわち x=Xa と置くと、f(Xa)=(Xa)3+3a(Xa)2+b(Xa)+c=X3+(b3a2)X+(2a3ab+c)である。上で求めた m=23b2a2 から 32m=b3a2 である。したがって f(Xa)=X3+32mX+(2a3ab+c) となる。

定数項 2a3ab+c は縦方向の平行移動で消せる。よって、y=f(x) のグラフは平行移動によって y=x3+32mx のグラフに移る。

極値を結ぶ弦と標準形

別解

解法2

方針

先に x=Xa と置いて三次式を X3+pX+q の形へ移す。極値条件は p<0。この標準形では二つの停留点が X=±u となり,それらを結ぶ弦の傾きを直接計算すると 2p/3 になるため,元の係数へ戻せる。

解答

(1)
x=Xa と置くとf(Xa)=X3+pX+q,p=b3a2,q=2a3ab+c.平行移動は極値の有無を変えない。導関数は 3X2+p だから,異なる二つの停留点をもつ条件はp<0,すなわち b<3a2 である。

(2)
p<0 のときu=p3と置けば,極大・極小の横座標はそれぞれ u,u である。縦座標の差を横座標の差で割るとm=(u3+pu+q)(u3pu+q)u(u)=u2+p=p3+p=2p3.したがってm=23(b3a2)=23b2a2,p=32m.ゆえに標準形はY=X3+32mXであり,横に a,縦に q だけ平行移動すれば元のグラフになる。

総評

難度6、計算量5。目安時間は18〜24分。導関数の判別式で極値条件を出す前半は標準的である。後半は極値の座標そのものを求めるのではなく、α+βαβ を使って傾き m を対称式で処理するのが効率的である。最後の平行移動では、x=Xa として2次項を消すこと、残った1次係数が 32m と一致すること、定数項は縦移動で消せることを順に書くとよい。符号の誤りが出やすいのは m=23b2a2b3a2=32m の対応である。

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出典: 大阪大学 2004年度 前期 文系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。