Evolton

大阪大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験(数学文系)文系数学 第3問

nを自然数とする.
プレイヤーABがサイコロを交互に投げるゲームをする.
最初はAが投げ,先に1の目を出した方を勝ちとして終わる.
ただし,An回投げても勝負がつかない場合はBの勝ちとする.

(1) Ak投目(1kn)Aが勝つ確率を求めよ.

(2) このゲームにおいてAが勝つ確率Pnを求めよ.

(3) Pn>12となるような最小のnの値を求めよ.
ただし,log102=0.3010log103=0.4771として計算してよい.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率数列指数・対数 数え上げ和の計算、範囲評価

方針

Ak 投目で勝つには、それ以前の Ak1 回と Bk1 回のすべてで1が出ず、次の A の投球で1が出ればよい。(2)は(1)を k=1 から n まで足す等比数列である。An 回投げても勝負がつかない場合は B の勝ちなので、A の勝率には An 投目までの勝ちだけを足せばよい。(3)は (25/36)n<1/12 を常用対数で解き、最小の自然数を決める。

解答

(1) Ak 投目で勝つには、A のそれ以前の k1 回の投球と、B のそれ以前の k1 回の投球で、どちらも1を出していない必要がある。その確率は (56)2(k1) である。そのうえで、Ak 投目に1が出ればよいので、(56)2(k1)16=16(2536)k1である。

(2) A が勝つのは、A の1投目、2投目、n 投目のいずれかで初めて1を出す場合である。したがってPn=k=1n16(2536)k1である。これは初項 1/6、公比 25/36 の等比数列の和なので、Pn=161(2536)n12536=611{1(2536)n}である。

(3) Pn>12611{1(2536)n}>12 と同値である。整理すると 1(2536)n>1112 すなわち (2536)n<112 である。

常用対数をとる。0<25/36<1 なので、対数をとると nlog102536<log1012 である。与えられた値から log105=1log102=0.6990 であり、log106=log102+log103=0.7781 である。したがってlog102536=2log1052log106=2(0.6990)2(0.7781)=0.1582である。また log1012=log103+2log102=0.4771+0.6020=1.0791 である。

よって n>1.07910.1582 である。実際に 60.1582=0.9492<1.0791,70.1582=1.1074>1.0791 だから、最小の n7 である。

一巡ごとの確率構造

別解

解法2

方針

1巡を「AB も1を出さない」事象としてまとめる。各巡の生存確率は 25/36,その直後に A が勝つ確率は 1/6 なので,打切りまでの再帰式を作る。最後は6回では不足し7回なら十分であることを対数で直接比較する。

解答

(1)
1巡で A,B の双方が1を出さない確率をq=(56)2=2536とする。Ak 投目の直前までゲームが続く確率は qk1 であり,そこで A が1を出す確率は 16 だからPr(A が k 投目で勝つ)=16qk1.(2)
また,P0=0 とすればPn=Pn1+16qn1.この差分を加えるとPn=16(1+q++qn1)=611(1qn).(3)
Pn>12qn<112 と同値である。与えられた対数からlog10q=0.1582,log1012=1.0791.そこで6(0.1582)=0.9492<1.0791<1.1074=7(0.1582)である。よって6回では足りず7回なら条件を満たすから,n=7である。

総評

難度5、計算量4。目安時間は15〜20分。交互にサイコロを投げるが、Ak 投目で勝つには、それ以前の1巡 (A,B) がすべて失敗しているだけなので、(5/6)2 を公比とする等比数列になる。特殊ルール「An 回投げても勝負がつかない場合は B の勝ち」は、A の勝率を k=1 から n までで打ち切ることに反映される。(3)では、25/36<1 の対数が負になるため、不等号の扱いに注意する。与えられた常用対数だけで6と7の間に挟めば十分である。

冊子PDFで見る阪大の確率の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2004年度 前期 文系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。