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大阪大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

2次の正方行列A0,A1,A2,A3,A0=O,An=B+An1C(n=1,2,3,)で定める.
ただし,Oは2次の零行列,BCは2次の正方行列とする.

(1) An(EC)BCを用いて表せ.
ここでEは2次の単位行列とする.

(2) BC
B=(0110)
C=(1311)とするとき,
A3nを求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

行列数列 漸化式の変形和の計算、計算整理

方針

(1) は漸化式を展開して An=B+BC++BCn1 とし,右から EC を掛けて行列版の等比和を作る。(2)では具体的な C について C3=8E を確認し,(1)の式に n3n として代入する。EC が逆行列を持つので,最後に右から (EC)1 を掛けて A3n を求める。

解答

(1)

漸化式 An=B+An1C を順に展開する。A0=O であるから,A1=B, A2=B+BC, A3=B+BC+BC2 となる。同様にして An=B+BC+BC2++BCn1 である。したがって右から EC を掛けると,An(EC)=B(E+C+C2++Cn1)(EC)=B(ECn)である。

(2)

与えられたC=(1311)について計算すると,C2=(2622)であり,さらにC3=C2C=(8008)=8Eである。したがって C3n=(8)nE である。

(1)n3n に替えると A3n(EC)=B(EC3n)={1(8)n}B である。ここでEC=(0310)であり,(EC)1=(01130)である。よってA3n={1(8)n}B(EC)1={1(8)n}(0110)(01130)={1(8)n}(13001).

別解

解法2

方針

C3=8E を利用し,等比和を3項ずつのブロックに分ける。各ブロックの先頭には (C3)j=(8)jE が現れるので,行列の和が通常のスカラー等比数列へ帰着する。逆行列を計算せずに済む点が利点である。

解答

(1) 漸化式を繰り返し用いるとAn=B+BC++BCn1である。右から EC を掛ければ中間項が相殺されるのでAn(EC)=B(ECn)を得る。

(2) 3個ずつまとめてもよい。 A3n=B(E+C+C2)+B(E+C+C2)C3++B(E+C+C2)(C3)n1 である。上で求めた C2 からE+C+C2=(0930)であり,B(E+C+C2)=(3009)である。さらに C3=8E なので,A3n=(3009){1+(8)++(8)n1}=(3009)1(8)n9={1(8)n}(13001).

総評

行列の等比和を扱う問題で,掛ける向きが最大の注意点である。想定時間は18分前後,難易度は5,計算量は5程度。AnB の右に C の累乗が並ぶ形なので,EC も右から掛ける必要がある。(2)では C3=8E に気づけば計算は大きく減る。逆行列を使う解法でも,3項ずつまとめる解法でも,同じ対角行列に到達する。

冊子PDFで見る阪大の行列の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2008年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。