Evolton

大阪大学 2012年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

θを実数とし、行列P(θ),J,EP(θ)=(cosθsinθsinθcosθ),J=(1001),E=(1001)で定める。Q=P(2π/3)とおく。n,kを自然数とする。n個のQk個のJからなる順列A1,A2,,An+kで、行列の積A1A2An+kEと等しいものの個数をN(n,k)とする。

(1) JP(θ)=P(θ)Jを示せ。

(2) N(200,2)を求めよ。

(3) N(10,4)を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

行列場合の数 式変形、数え上げ、場合分け、剰余分類

方針

(1) は両辺を直接計算する。(2)(3)では、各 J の間に入る Q の個数を非負整数で表す。関係 JQ=Q1JQ3=EJ2=E を使うと、積が E となる条件は交互の区画に入る Q の総数についての3を法とする条件になる。区画数の数え上げでは、和が一定となる非負整数解の個数を用いる。

解答

(1) 左辺を計算するとJP(θ)=(1001)(cosθsinθsinθcosθ)=(cosθsinθsinθcosθ).一方、cos(θ)=cosθsin(θ)=sinθ よりP(θ)J=(cosθsinθsinθcosθ)(1001)=(cosθsinθsinθcosθ).したがって JP(θ)=P(θ)J である。特に JQ=Q1J であり、また Q3=EJ2=E である。

(2) 2個の J の前、間、後にある Q の個数をそれぞれ a,b,c とする。このとき a,b,c は非負整数で a+b+c=200 であり、積はQaJQbJQc=Qab+c=Q2002bとなる。これが E となるための条件は 2002b が3の倍数、すなわち b1(mod3) である。よって b=1,4,,199 であり、67通りある。

固定した b に対して a+c=200b の非負整数解は 201b 個だからN(200,2)=j=066{201(1+3j)}=67200366672=6767.(3) 4個の J で区切られる5区画に入る Q の個数を順に x0,x1,x2,x3,x4 とする。これらは非負整数で、和は10である。(1)の関係を繰り返し用いると積はQx0x1+x2x3+x4=Q102(x1+x3)となる。s=x1+x3 とおけば、積が E となる条件は 102s が3の倍数である。0s10 より s=2,5,8 である。

固定した s に対し、x1+x3=s の解は s+1 個、x0+x2+x4=10s の解は 12sC2 個である。したがってN(10,4)=310C2+67C2+94C2=345+621+96=315.

総評

難度7、計算量6。想定時間は25分程度。(1)から得る JQ=Q1J が全体の核であり、行列を一語ずつ掛け続けるのではなく、J によって区切られた Q の個数を導入できるかで差がつく。(2)では固定した中央区画の長さごとに両端の分配数を数え、(3)では符号が負になる第2・第4区画の合計だけを先に固定する。3を法とする条件、非負整数解の個数、同じ Q,J を区別しないことの3点を明記すると採点者が追いやすい。

冊子PDFで見る阪大の行列の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2012年度 後期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。