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大阪大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

実数の組(p,q)に対し,f(x)=(xp)2+qとおく.

(1) 放物線y=f(x)が点(0,1)を通り,しかも直線y=xx>0の部分と接するような
実数の組(p,q)と接点の座標を求めよ.

(2) 実数の組(p1,q1)(p2,q2)に対して,
f1(x)=(xp1)2+q1およびf2(x)=(xp2)2+q2とおく.
実数αβ(ただしα<β)に対してf1(α)<f2(α)かつf1(β)<f2(β)であるならば,
区間αxβにおいて
不等式f1(x)<f2(x)がつねに成り立つことを示せ.

(3) 長方形R:0x1,0y2を考える.
また,4点P0(0,1)P1(0,0)P2(1,1)P3(1,0)
この順に線分で結んで得られる折れ線をLとする.
実数の組(p,q)を,放物線y=f(x)と折れ線Lに共有点がないようなすべての組にわたって動かすとき,
Rの点のうちで放物線y=f(x)が通過する点全体の集合をTとする.
RからTを除いた領域Sを座標平面上に図示し,その面積を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安35

関数図形と方程式積分 接線・法線不等式評価面積計算

方針

(1) は接点の x 座標を t とおき、接する条件を f(t)=1、通る条件を f(t)=t として処理する。さらに (0,1) を通る条件で p,q を決め、接点が x>0 側にあるものだけを残す。(2)は f1f2 で2次の項が消えて一次式になることを使い、端点で負なら区間内でも負であることを示す。(3)は折れ線 L を避ける放物線を、y=x の上側にある場合と下側にある場合に分ける。長方形 R に現れるのは上側の場合だけで、縦線分と斜め線分を避けるための q の下限を固定した p ごとに求める。最後に固定した x で到達できる最小の y を最小化し、S の境界と面積を出す。

解答

(1)

接点の x 座標を t とする。放物線 f(x)=(xp)2+q の導関数は f(x)=2(xp) である。直線 y=x と接するので、接点での傾きが1に等しい。したがって 2(tp)=1 であり、t=p+12 である。また接点は直線 y=x 上にあるから f(t)=t である。すなわち (tp)2+q=t であり、tp=1/2 を用いると 14+q=p+12 だから q=p+14 である。

さらに放物線は点 (0,1) を通るので f(0)=p2+q=1 である。ここに q=p+1/4 を代入して p2+p+14=1 すなわち p2+p34=0 を得る。よって (2p1)(2p+3)=0 であり、p=12, 32 である。

それぞれの接点の x 座標は t=p+1/2 だから、p=1/2 のとき t=1p=3/2 のとき t=1 である。条件は直線 y=xx>0 の部分と接することであるから、t>0 となる p=1/2 だけが適する。このとき q=12+14=34 であり、接点は (t,t)=(1,1) である。したがって (p,q)=(12,34),接点 (1,1) である。

(2)

差をとると f1(x)f2(x)={(xp1)2+q1}{(xp2)2+q2} である。展開すると x2 の項が消え、f1(x)f2(x)=2(p2p1)x+(p12p22+q1q2) となる。したがって f1(x)f2(x)x の一次式である。

一次式を g(x)=f1(x)f2(x) とおく。仮定より g(α)<0,g(β)<0 である。αxβ のとき、ある 0λ1 を用いて x=(1λ)α+λβ と表せる。一次式の性質から g(x)=(1λ)g(α)+λg(β) である。右辺は負の数の和であるから g(x)<0 である。よって f1(x)<f2(x)(αxβ) が成り立つ。

(3)

折れ線 L は、縦線分 x=0,0y1 と、斜め線分 y=x,0x1 と、縦線分 x=1,0y1 からなる。

放物線 y=f(x) が斜め線分 y=x と共有点をもたないなら、0x1f(x)x は0にならない。したがってこの区間で f(x)>xが常に成り立つ か、または f(x)<xが常に成り立つ かのどちらかである。

まず f(x)<x が常に成り立つ場合を考える。縦線分を避けるためには、x=0f(0)[0,1] に入ってはならない。しかも f(0)<0 である。同様に x=1 でも f(1)<1 であり、縦線分を避けるためには f(1)<0 でなければならない。放物線 f(x) は下に凸なので、0x1 では両端の値を結ぶ線分以下にあり、特に f(x)<0 となる。したがってこの場合、長方形 R の内部の点 (x,y)0y2 を通過しない。

よって R に現れる放物線は f(x)>x(0x1) を満たすものだけである。このとき縦線分を避ける条件は f(0)>1,f(1)>1 である。

固定した p について、これらの条件を q の条件に直す。まず f(0)=p2+q>1 より q>1p2 であり、f(1)=(1p)2+q>1 より q>1(1p)2=2pp2 である。また f(x)>x0x1 で成り立つためには (xp)2+q>x すなわち q>x(xp)2(0x1) が必要である。

右辺 x(xp)2 の最大値も考慮すると、結局 q1p2,2pp2,max0x1{x(xp)2} より大きくなければならない。この3つの最大を調べると、p1/2 では q>1p2 が下限を与え、p1/2 では q>2pp2 が下限を与える。実際、p1/2 では 1p22pp2 であり、斜め線分から来る最大値も 1p2 以下である。p1/2 では 2pp21p2 で、斜め線分から来る最大値も 2pp2 以下である。

したがって、固定した x に対して放物線が到達できる y の下限を求める。p1/2 の側では y=(xp)2+q の下限は (xp)2+1p2=x22px+1 である。0x1 では、これは p が大きいほど小さいので、p=1/2 で最小となる。

一方、p1/2 の側では下限は (xp)2+2pp2=x2+2p(1x) である。0x1 では、これは p が小さいほど小さいので、やはり p=1/2 で最小となる。

よって固定した x で到達できる最小境界は y=x2x+1 である。したがって、長方形 R の中で放物線が通過できる点全体 T は、この曲線より上側に現れる。したがって R から T を除いた領域 S は、面積の計算上 0x1,0yx2x+1 で表される領域である。

折れ線 L を避ける放物線の限界が、領域 S の上端を与える。

よってその面積は01(x2x+1)dx=[x33x22+x]01=1312+1=56である。境界曲線 y=x2x+1 は、(1) で得た p=1/2,q=3/4 の放物線であり、折れ線に接する限界の放物線になっている。

総評

(1) (2)は(3)の準備になっており、特に(2)は「端点で上下関係が決まれば区間全体で保たれる」という判定として使う。最難所は(3)で、折れ線を避ける条件を縦線分2本と斜め線分1本に分解して、q の下限を正確に取ることにある。下側にある放物線は長方形内に現れないため、上側の場合だけを追えばよい。境界 y=x2x+1 が(1)の接する放物線になることに気づくと、図示の意味も確認しやすい。目安時間は35分程度。

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出典: 大阪大学 2011年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。