Evolton

大阪大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

5次式f(x)=x5+px4+qx3+rx2+sx+t
p,q,r,s,tは実数)について考える.
このとき,以下の問いに答えよ.

(1) 数列f(0),f(1),f(2),f(3),f(4)が等差数列であることと,f(x)=x(x1)(x2)(x3)(x4)+lx+mlmは実数)と書けることは互いに同値であることを示せ.

(2) f(x)は(1)の条件をみたすものとする.
αを実数,kを3以上の自然数とする.
k項からなる数列f(α),f(α+1),f(α+2),,f(α+k1)が等差数列となるようなαkの組をすべて求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

関数数列 恒等式比較、計算整理、必要十分条件

方針

(1)g(x)=x(x1)(x2)(x3)(x4) を基準にする。g(0),,g(4) がすべて0であることから、f(0),,f(4) が等差数列になる条件は、f(x)g(x) が一次式になることと対応する。(2) では (1) の形に直したあと、一次式部分はどの連続点でも等差数列を作るので、g の二階差分だけを調べる。連続する k 項が等差数列になるために、α,α+1,,α+k3 がすべて二階差分の零点 0,1,2 に入ることを用いて列挙する。

解答

(1) g(x)=x(x1)(x2)(x3)(x4) とおく。

まず f(x)=g(x)+lx+m と書けるとする。このとき g(0)=g(1)=g(2)=g(3)=g(4)=0 であるから、j=0,1,2,3,4 に対して f(j)=lj+m である。したがって f(0),f(1),f(2),f(3),f(4) は公差 l の等差数列である。

逆に、f(0),f(1),f(2),f(3),f(4) が等差数列であるとする。その初項を m、公差を l とおけば f(j)=lj+m(j=0,1,2,3,4) である。すなわち多項式 f(x)(lx+m)x=0,1,2,3,4 をすべて根にもつ。

また、f(x) は最高次係数1の5次式であり、lx+m は一次式であるから、f(x)(lx+m) も最高次係数1の5次式である。したがって f(x)(lx+m)=x(x1)(x2)(x3)(x4) であり、f(x)=x(x1)(x2)(x3)(x4)+lx+m と書ける。

以上より、2つの条件は互いに同値である。

(2)
(1)より f(x)=g(x)+lx+m と書ける。一次式 lx+m の値は、x を1ずつ増やすと常に公差 l の等差数列になる。したがって f(α),f(α+1),,f(α+k1) が等差数列となる条件は、g(α),g(α+1),,g(α+k1) が等差数列となる条件と同じである。

連続する数列が等差数列であることは、隣り合う3項の二階差がすべて0であることと同値である。つまり g(x+2)2g(x+1)+g(x)=0 を、必要なすべての x でみたせばよい。

ここで実際に計算する。g(x)=x(x1)(x2)(x3)(x4) だから、g(0)=g(1)=g(2)=g(3)=g(4)=0 より、二階差 g(x+2)2g(x+1)+g(x)x=0,1,2 で0になる。また、g は最高次係数1の5次式なので、この二階差は最高次係数 54=20 の3次式である。したがって g(x+2)2g(x+1)+g(x)=20x(x1)(x2) である。

よって kg(α),g(α+1),,g(α+k1) が等差数列になるためには、α,α+1,,α+k3 がすべて 0,1,2 のいずれかでなければならない。

k=3 のときは、調べる値は α だけなので α=0,1,2 である。

k=4 のときは、αα+1 がともに 0,1,2 のいずれかでなければならないので α=0,1 である。

k=5 のときは、α,α+1,α+2 がすべて 0,1,2 に入る必要があるので α=0 である。

k6 のときは、α,α+1,,α+k3 が4個以上の連続する実数を含むため、それらが3個の数 0,1,2 の中にすべて入ることはできない。したがって不可能である。

以上より、求める組は (α,k)=(0,3),(1,3),(2,3),(0,4),(1,4),(0,5) である。

総評

値が等差数列になる条件を、多項式の零点と二階差分に結びつける問題である。目安時間は25分。(1) は「0から4で一致する最高次係数1の5次式は一意」という見方を使うと簡潔に書ける。(2) では lx+m の部分を早めに切り離し、g の二階差だけに集中するのが核心である。k 項が等差数列になるには二階差を k2 箇所で確認する必要があるため、調べる点が α から α+k3 までになる点を落とさないようにしたい。

冊子PDFで見る阪大の関数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2012年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。