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大阪大学 2014年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

さいころを繰り返し投げ,n回目に出た目をXnとする.
n回目までに出た目の積X1X2XnTnで表す.
Tnを5で割った余りが1である確率をpnとし,
余りが2,3,4のいずれかである確率をqnとする.

(1) pn+qnを求めよ.

(2) pn+1pnnを用いて表せ.

(3) rn=(65)npnとおいてrnを求めることにより,
pnnの式で表せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

確率数列 状態分類確率漸化式漸化式の変形

方針

積を5で割った余りを見る問題なので、5の目が一度でも出ると以後の余りは0になることをまず使う。(1) は5が一度も出ない確率である。(2) では余り1から余り1へ進む目は 1,6 の2通り、余り2,3,4から余り1へ進む目はそれぞれ1通りであることを数え、qn=(5/6)npn を代入して pn だけの漸化式にする。(3) は指定された rn=(6/5)npn により一次漸化式を定数係数に直し、初期値 p1=1/3 から解く。

解答

(1) Tn=X1X2Xn が5で割り切れないためには、n 回のうち一度も5の目が出ないことが必要十分である。5以外の目が出る確率は 56 なので pn+qn=(56)n である。

(2) Tn の余りが1であるとする。このとき Tn+1 の余りも1になるには、次の目 Xn+1 の余りが1であればよい。サイコロの目で5で割った余りが1になるのは 1,6 の2通りであるから、その確率は 2/6 である。

次に、Tn の余りが 2,3,4 のいずれかであるとする。余りを1にする次の目は、それぞれ 231,321,441(mod5) に対応する1通りだけである。したがって、その確率は 1/6 である。

よって pn+1=26pn+16qn である。(1) より qn=(5/6)npn だからpn+1=26pn+16{(56)npn}=16pn+16(56)nである。したがって pn+1=16pn+16(56)n である。

(3) rn=(65)npn とおく。(2) の両辺に (6/5)n+1 を掛けるとrn+1=(65)n+1{16pn+16(56)n}=15(65)npn+15=15rn+15となる。

また、1回目で余りが1となるのは目が1または6の場合なので p1=26=13 であり、r1=6513=25 である。漸化式 rn+1=15rn+15 の一定値を c とすると c=15c+15 より c=14 である。したがって rn+114=15(rn14) である。

初期値から r114=2514=320 なので rn14=320(15)n1 である。よってrn=14+320(15)n1=14+345nである。したがってpn=(56)nrn=(56)n(14+345n)=5n+346nである。

別解

解法2(積が1となる列の直接計数)

方針

積の余りが1となる出目列を直接数える。5は含められず、各回の選択肢 1,2,3,4,6 は、4つの非零剰余を1通りずつ選ぶ基本選択に、余り1の追加選択肢6を足したものと見られる。追加選択を使わない位置を k 個選び、その k 個の剰余の積が1になる並べ方を数えて二項定理で和を求める。

解答

(1)

積の余りが1、2、3、4のいずれかであることは、5の目が一度も出ないことと同値である。したがってpn+qn=(56)n.(2)

余り1から余り1へ進む出目は1、6の2通りである。余り2、3、4から余り1へ進む出目は、それぞれ3、2、4の1通りずつである。よってpn+1=26pn+16qn=16pn+16(56)n.(3)

ここでは積の余りが1となる長さ n の出目列を直接数える。5は使えない。出目 1,2,3,4,6 のうち、1,2,3,4 は非零剰余を1通りずつ与え、6は余り1の追加の選択肢である。

6を選ばず、1,2,3,4 のいずれかを選ぶ位置がちょうど k 個あるとする。k=0 のときは全て6であり、積の余りは1となる列が1通りある。k1 のとき、その k 個の位置のうち最初の k1 個の剰余は自由に選べ、最後の剰余は積が1となるようにただ1通りに決まる。したがって、その剰余列は 4k1 通りである。

よって求める出目列の総数 NnNn=1+k=1nnCk4k1=1+14k=1nnCk4k=1+5n14=5n+34.全出目列は 6n 通りだからpn=Nn6n=5n+346nである。

総評

難度6、計算量5。目安時間は20分。5が出た瞬間に積の余りが0になるため、まず非零余り全体の確率 pn+qn を押さえるのが出発点である。余り1への遷移では、余り1の目が 1,6 の2通りある一方、余り2,3,4から1へ戻す目はそれぞれ1通りだけである。この差が pn+1 の係数に出るので数え間違えやすい。指定された rn(5/6)n の因子を消すための置き換えであり、固定値 1/4 を引けば等比数列になる。初期値は n=1 から始める点にも注意したい。 第2解法では非零剰余の積が1となる出目列を二項定理で直接数え、漸化式を使わず閉じた式を得た。

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出典: 大阪大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。