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大阪大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

複素数 zz5=1 を満たし、実部と虚部がともに正であるものとする。硬貨を投げて表が出れば1、裏が出れば0とし、5回投げて出た順に a0,a1,a2,a3,a4 とおく。複素数 ww=a0+a1z+a2z2+a3z3+a4z4と定める。

(1) 5回とも表が出たとする。w の値を求めよ。

(2) a0=a2=a3=0, a1=a4=1 のとき、w<1 であることを示せ。

(3) w<1 である確率を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

複素数平面確率 複素数の極形式、数え上げ対称性の利用

方針

条件を満たすzは偏角2π/5の5乗根であり,1,z,z2,z3,z4は正五角形の頂点を表す。(1)は5乗根の和,(2)は共役な2点の和で処理する。(3)は硬貨の結果を5頂点から選ぶ部分集合と見なし,選んだ個数ごとにw<1を数える。特に1個・4個ではw=1となり,厳密不等号から除外する。

解答

実部と虚部がともに正である5乗根は z=cos2π5+isin2π5 である。よってz1であり,1,z,z2,z3,z4は正五角形の5つの頂点を表す。

(1) z5=1z1より 1+z+z2+z3+z4=z51z1=0 である。5回とも表ならa0=a1=a2=a3=a4=1なので w=1+z+z2+z3+z4=0 である。

(2)
このとき w=z+z4 である。z4zの共役なので z+z4=2cos2π5 である。π3<2π5<π2であり,0<cos2π5<12だから w=2cos2π5<1 である。

(3)
akは0または1であり,これは5つの頂点1,z,z2,z3,z4からいくつかを選ぶことに対応する。全事象は 25=32 通りで,すべて等確率である。

選ぶ個数ごとに調べる。0個を選ぶとw=0,5個を選ぶと(1)よりw=0であるから,どちらも条件を満たす。

1個だけ選ぶとw=1であり,条件w<1を満たさない。4個選ぶ場合は,選ばれなかった1個の頂点をαとすると,5頂点の和が0であることからw=αであり,やはりw=1で条件を満たさない。

2個選ぶ場合を考える。2つの頂点が隣り合うとき,中心角は2π5なので和の大きさは 2cosπ5>1 である。2つの頂点が隣り合わないとき,中心角は4π5なので和の大きさは 2cos2π5<1 である。正五角形で隣り合わない2点の選び方は5通りである。

3個選ぶ場合は,選ばれなかった2個の頂点の和をuとすると,5頂点全体の和が0であるからw=uである。したがってw<1となるのは,選ばれなかった2点が隣り合わない場合であり,これも5通りである。

以上より,条件を満たす場合の数は 1+1+5+5=12 である。したがって求める確率は 1232=38 である。

別解

解法2

方針

1,z,z2,z3,z4 を単位円上の正五角形として図示する。2頂点の和の絶対値を、中心角が 2π/54π/5 かで分類する。3頂点の和は、選ばなかった2頂点の和の符号を変えたものとして数える。

解答

条件を満たす zz=cos2π5+isin2π5である。したがって 1,z,z2,z3,z4 は単位円上の正五角形の頂点である。

(1)
z1 なので1+z+z2+z3+z4=z51z1=0.5回とも表ならw=0.(2)
このときw=z+z4=z+z=2cos2π5.π3<2π5<π2より0<2cos2π5<1.したがって w<1 である。

(3)
係数が1である項の個数を m とする。m=0,5 では w=0 なので条件を満たす。m=1 では w=1m=4 でも、選ばなかった頂点を α とすればw=αだから w=1 である。

m=2 のとき、選んだ2頂点の中心角が 2π/5 ならw=2cosπ5>1,中心角が 4π/5 ならw=2cos2π5<1.したがって条件を満たすのは、正五角形で隣り合わない2頂点を選ぶ5通りである。

m=3 のときは、選ばなかった2頂点の和を u とするとw=u.よって条件を満たすものは、補集合の2頂点が隣り合わない5通りである。

以上より有利な場合は1+1+5+5=12通り。全32通りは等確率なのでPr(w<1)=1232=38.

総評

難度6,計算量5。目安時間は20分。5乗根を正五角形の頂点として見ると,複素数の計算をベクトル和の長さの分類に置き換えられる。厳密不等号なのでw=1の1個選択・4個選択を数えないことが重要である。2点の場合は辺と対角線の違い,3点の場合は補集合の2点で数えると,重複や数え落としを避けやすい。

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出典: 大阪大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。