問題
複素数 は を満たし、実部と虚部がともに正であるものとする。硬貨を投げて表が出れば1、裏が出れば0とし、5回投げて出た順に とおく。複素数 を
と定める。
(1) 5回とも表が出たとする。 の値を求めよ。
(2) のとき、 であることを示せ。
(3) である確率を求めよ。
方針
解法1
条件を満たすは偏角の5乗根であり,は正五角形の頂点を表す。(1)は5乗根の和,(2)は共役な2点の和で処理する。(3)は硬貨の結果を5頂点から選ぶ部分集合と見なし,選んだ個数ごとにを数える。特に1個・4個ではとなり,厳密不等号から除外する。
解法2
を単位円上の正五角形として図示する。2頂点の和の絶対値を、中心角が か かで分類する。3頂点の和は、選ばなかった2頂点の和の符号を変えたものとして数える。
解答
解法1
実部と虚部がともに正である5乗根は である。よってであり,は正五角形の5つの頂点を表す。
(1)
,より である。5回とも表ならなので である。
(2)
このとき である。はの共役なので である。であり,だから である。
(3)
各は0または1であり,これは5つの頂点からいくつかを選ぶことに対応する。全事象は 通りで,すべて等確率である。
選ぶ個数ごとに調べる。0個を選ぶと,5個を選ぶと(1)よりであるから,どちらも条件を満たす。
1個だけ選ぶとであり,条件を満たさない。4個選ぶ場合は,選ばれなかった1個の頂点をとすると,5頂点の和が0であることからであり,やはりで条件を満たさない。
2個選ぶ場合を考える。2つの頂点が隣り合うとき,中心角はなので和の大きさは である。2つの頂点が隣り合わないとき,中心角はなので和の大きさは である。正五角形で隣り合わない2点の選び方は5通りである。
3個選ぶ場合は,選ばれなかった2個の頂点の和をとすると,5頂点全体の和が0であるからである。したがってとなるのは,選ばれなかった2点が隣り合わない場合であり,これも5通りである。
以上より,条件を満たす場合の数は である。したがって求める確率は である。
解法2
条件を満たす は
である。したがって は単位円上の正五角形の頂点である。
(1)
なので
5回とも表なら
(2)
このとき
より
したがって である。
(3)
係数が1である項の個数を とする。 では なので条件を満たす。 では 。 でも、選ばなかった頂点を とすれば
だから である。
のとき、選んだ2頂点の中心角が なら
中心角が なら
したがって条件を満たすのは、正五角形で隣り合わない2頂点を選ぶ5通りである。
のときは、選ばなかった2頂点の和を とすると
よって条件を満たすものは、補集合の2頂点が隣り合わない5通りである。
以上より有利な場合は
通り。全32通りは等確率なので